揚子江船業とは?事業・業績・日本との関係を解説|シンガポール上場企業ガイド

造船所で建造中の大型船(イメージ)

海運や商社の仕事をしていると、造船所の名前として必ず出てくる「揚子江船業(Yangzijiang Shipbuilding)」。

中国の会社なのに、なぜシンガポールに上場しているのか気になった人もいるのではないでしょうか。シンガポールで仕事をする日本人にも関係の深い会社です。

この記事はこんな方に

  • 💼働く側(駐在員ご本人)にとって海運・商社・造船関連の取引先として、事業と日本との関係をつかめる
  • 🏡帯同する側(ご家族・パートナー)にとって中国の会社がシンガポールに上場している理由がわかる

ざっくり言うと

  • 🚢何の会社?コンテナ船・タンカー・LNG(液化天然ガス)関連船などをつくる中国最大級の民営造船会社
  • 🇯🇵日本とは?三井物産などと合弁造船所。常石造船の中国の造船所にも34%出資
  • 👔駐在員との接点は?海運・商社・舶用機器の取引先として。2007年からSGX(シンガポール取引所)に上場
目次

揚子江船業ってどんな会社?

建造中のコンテナ船(イメージ)
建造中のコンテナ船(イメージ)

中国・江蘇省の長江沿いに造船所を持つ、中国で最大級の民営造船会社です。

項目 内容
正式名称 Yangzijiang Shipbuilding (Holdings) Ltd.
SGXコード BS6
設立 1956年(造船協同組合として創業)
上場 2007年4月、SGXメインボード
本拠地 中国江蘇省(靖江・泰興・太倉に造船所)
経営トップ 任楽天(Ren Letian)執行会長兼CEO
事業領域 造船、海運
決算期 12月(報告通貨は人民元)
公式サイト yzjship.com

ルーツは1956年の造船協同組合。2007年に中国の造船会社として初めてシンガポールに上場しました。

年間の建造能力は600万載貨重量トンで、江蘇省に4つの造船所を持っています。

事業の中身

※ 金額のMは百万、Bは10億の単位です(RMBは人民元)。

事業 中身 2025年12月期の売上
造船 コンテナ船、ばら積み船、タンカー、LNG・LPG(液化石油ガス)などのガス運搬船 RMB26.8B(+6.4%)
海運 自社船による海上輸送 RMB1.1B(-8.1%)
その他 ― RMB537.8M

売上のほとんどが造船です。造船の粗利益率は35.1%で、前期より7.3ポイント上がりました。

2025年は合弁会社YAMICの11隻を含めて56隻を引き渡し、新たにUS$2.5B分を受注しています。

2025年末の受注残はUS$22.4B・245隻で、引き渡しは2030年まで続きます。会社は、需要の中心が大型コンテナ船から中小型コンテナ船や石油タンカーに移りつつあると説明しています。

業績の規模感

項目 2025年12月期 2024年12月期 増減
売上高 RMB28.5B RMB26.5B +7.4%
純利益(株主帰属) RMB8.6B RMB6.6B +30.2%
引き渡し隻数 56隻 ― ―

売上の伸びは1割未満ですが、造船の利益率が上がったことで、純利益は3割増えて過去最高になりました。数字は人民元(RMB)建てで発表されています。

日本とのつながり

港に並ぶ大型船(イメージ)
港に並ぶ大型船(イメージ)

日本の造船・商社と資本でつながっているのが、この会社の特徴です。

  • 江蘇揚子三井造船(YAMIC): 三井E&S造船(現・常石ソリューションズ東京ベイ)・三井物産・揚子江船業集団が組んだ合弁造船所で、江蘇省太倉市で2019年8月に事業を始めました。三井E&S造船は当時の発表で、三井物産の営業力と揚子江船業の生産力に自社の技術力を組み合わせると説明しています。2025年は11隻を引き渡しました。
  • 常石集団(舟山)造船: 広島の常石造船の中国の造船所です。揚子江船業は2024年9月に34%を持つ合意を発表し、出資は2025年に完了しました。

日本の造船業界とは、競合でありながら生産面のパートナーでもある関係です。

駐在員の仕事・暮らしとの接点

  • 取引先として: 船主・海運会社、商社の船舶部門、エンジンや塗料など舶用機器メーカーの駐在員には、発注先・納入先として身近な会社です。
  • 業界情報として: 受注残や引き渡し隻数は、新造船市場の動きを知る目安になります。決算資料は英語でSGXに開示されます。
  • 生活面: 事業は中国が中心のため、シンガポールでの消費者向けサービスとの接点はほとんどありません。

最近の動き

  • 過去最高益: 2025年12月期の純利益はRMB8.6Bで、前期比30.2%増でした。
  • 新造船所「Hongyuan」: 2026年末の完成を目指して建設中で、2026年1〜3月期には鋼材加工などの準備作業が始まりました。最初の船の引き渡しは2027年の予定です。
  • 常石舟山への出資: 2025年に完了し、持分法の利益として業績に加わり始めています。

よくある質問

中国の会社がなぜSGXに上場しているの?

2007年4月にSGXメインボードに上場しました。中国の造船会社としては初めてのシンガポール上場です。

投資事業の会社とは別?

はい。金融投資事業はYangzijiang Financial Holding(SGXコードYF8)として切り出されました。2022年4月28日に別会社として上場しました。

Seatriumとの違いは?

揚子江船業はコンテナ船やタンカーなど商船の建造が中心です。SeatriumはFPSO(海に浮かべる石油・ガスの生産設備)など海洋設備や洋上風力設備が中心で、得意分野が異なります。

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数字は各社の公式発表(2025年12月期)に基づきます。この記事は企業情報の紹介を目的としたもので、特定の銘柄の売買をおすすめするものではありません。

最終確認日: 2026-10-02 / 最新情報は公式ページよりご確認ください。

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この記事を書いた人

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