ネットで頼んだ日用品が翌日に届く。その裏側には、郊外の大きな物流倉庫があります。
Mapletree Logistics Trust(MLT)は、そうした倉庫をアジア太平洋の9市場に175物件も持つ物流REIT(不動産投資信託)です。市場にはシンガポール、日本、中国などがあります。
物流・商社・EC関係の駐在員なら、名前を知っておいて損はありません。
この記事はこんな方に
- 💼働く側(駐在員ご本人)にとって物流・通販・食品の仕事で使う倉庫の、持ち主と日本の物件がわかる
- 🏡帯同する側(ご家族・パートナー)にとって翌日に届く買い物の裏側にある、物流倉庫の会社がわかる
ざっくり言うと
- 📦何の会社?アジア太平洋9市場に175の物流施設を持つ、シンガポール初のアジア物流REIT
- 🇯🇵日本とは?日本に22物件。稼働率98.6%と、ポートフォリオの柱の1つ
- 👔駐在員との接点は?物流・EC・食品など、900社超のテナントの「倉庫の大家」
Mapletree Logistics Trustってどんな会社?

シンガポールで最初に上場した、アジア太平洋の物流施設に特化したREITです。
REIT(不動産投資信託)は、投資家から集めたお金で不動産を持ち、賃料収入の大部分を投資家に分配するしくみです。MLTのスポンサーはMapletree Investments。
Temasekが100%を持つシンガポールの不動産会社で、MITやMPACTの親でもあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Mapletree Logistics Trust |
| SGX(シンガポール取引所)コード | M44U |
| 上場 | 2005年(SGX) |
| 運用会社 | Mapletree Logistics Trust Management Ltd. |
| スポンサー | Mapletree Investments Pte Ltd(Temasekが100%保有) |
| 事業領域 | アジア太平洋の物流施設(倉庫・配送センターなど) |
| 物件数・資産規模 | 175物件、S$131億(2026年3月末) |
| 決算期 | 3月 |
| 公式サイト | mapletreelogisticstrust.com |
事業の中身
事業はシンプルで、倉庫や配送センターを持ち、物流会社や小売・EC企業に貸しています。テナントは900社を超え、世界的な物流会社やEC企業が中心です。
市場別の物件数は次のとおりです。
| 市場 | 物件数 | ひとこと |
|---|---|---|
| シンガポール | 44 | 評価額の29.9%で最大 |
| 中国 | 42 | 評価額の15.1% |
| 日本 | 22 | 評価額の11.5% |
| 韓国 | 20 | ― |
| オーストラリア | 13 | ― |
| ベトナム | 12 | ― |
| 香港 | 9 | 評価額の16.9% |
| マレーシア | 9 | ― |
| インド | 4 | ― |
上位テナントには、次の企業などが並びます。
- データセンターのEquinix
- シンガポールの物流大手CWTやYCH Group
- オーストラリアのスーパーColes Group
- 韓国EC大手Coupang
業種別では、次のように分散しています(収入ベース)。
- 建材・エンジニアリング17%
- 生活必需品15%
- 食品・飲料14%
- 電子・IT10%
業績の規模感
| 項目(2026年3月期) | 金額 | 前期比 |
|---|---|---|
| 総収入(Gross revenue) | S$7億827万 | -2.6% |
| 純不動産収入(NPI) | S$6億1,016万 | -2.4% |
| 分配可能額 | S$3億7,007万 | -8.9% |
| 1口あたり分配金(DPU) | 7.262セント | -9.8% |
2026年3月期は物件売却や為替の影響で収入がやや減り、1口あたり分配金は約1割減りました。一方で全体の稼働率は96.9%と高く、シンガポール、中国、香港、日本、韓国の5市場で稼働率が上がりました。
日本とのつながり

MLTにとって日本は重要な市場です。2026年3月末時点で日本に22の物流施設を持ち、評価額の11.5%、収入の13.4%を占めています。
日本の物件の稼働率は98.6%と、ほぼ満室です。
シンガポールの日系物流会社や商社にとっては、日本でもシンガポールでも同じ大家が倉庫を持っている、という関係になりうる会社です。
駐在員の仕事・暮らしとの接点
- 倉庫探し・取引先として: シンガポールでの物件数は44。西部のJoo Koon、Benoi、Toh Guanなどに物流拠点(Logistics Hub)があり、在庫拠点を探す日系企業の候補になります
- ネット通販の裏側として: テナントにはEC企業や物流会社が多く、ふだん使うデリバリーやネット通販の荷物がMLTの倉庫を通っていることも
- Mapletreeグループの一員として: 同じスポンサーのMPACTはVivoCityを、MITは工業ビルやデータセンターを保有。Mapletree Investmentsは13市場でS$803億を運用しています(2025年3月末)
最近の動き
- 古い物件の売却: 2026年3月期にシンガポールの1 Genting Lane、8 Tuas View Square、31 Penjuru Laneなど6物件を合計S$9,900万で売却
- インドで取得(2026年3月): ムンバイの倉庫を約INR(インドルピー)38億8,800万(S$5,320万)で取得
- 建て替えの完了: Mapletree Joo Koon Logistics Hubが2025年5月に完成し、稼働率は99.3%に
- 太陽光発電の拡大: 自社で設置した太陽光の発電容量は58.9MWpと前年から24%増
よくある質問
MLTにとって日本はどのくらい大きい市場?
2026年3月末時点で日本に22物件を持ち、評価額の11.5%、収入の13.4%を占めます。物件数ではシンガポール・中国に次ぐ3番目の市場です。
MITやFLCTとの違いは?
MITは工業ビルとデータセンター、FLCTは豪州・欧州の物流施設とビジネスパークが中心です。MLTはアジア太平洋の物流施設に特化しています。
Temasekとの関係は?
スポンサーのMapletree InvestmentsはTemasekが100%を持つ会社です(2026年3月末時点)。
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数字は各社の公式発表(2026年3月期)に基づきます。この記事は企業情報の紹介を目的としたもので、特定の銘柄の売買をおすすめするものではありません。
最終確認日: 2026-10-02


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