Alexandra Roadのビジネスパークや、Tuasの物流倉庫。取引先の資料で「FLCT」という名前を見かけた人もいるかもしれません。
Frasers Logistics & Commercial Trust(FLCT)は、シンガポール上場のREIT(不動産投資信託)です。実は物件の大半がオーストラリアとヨーロッパにある、ちょっと国際派のREITです。
この記事はこんな方に
- 💼働く側(駐在員ご本人)にとって物流・オフィスの取引先として、物件のある国と業績をつかめる
- 🏡帯同する側(ご家族・パートナー)にとってニュースや資料で見かける名前が、何の会社かがわかる
ざっくり言うと
- 🚚何の会社?豪州・欧州・シンガポールの物流施設とオフィス・ビジネスパークを持つREIT
- 🇯🇵日本とは?日本の物件はなし。スポンサーのグループが大阪でサービスアパートを運営
- 👔駐在員との接点は?シンガポールではAlexandra TechnoparkとTuasの物流施設を保有
Frasers Logistics & Commercial Trustってどんな会社?

物流施設が約4分の3、残りがオフィス・ビジネスパーク。2025年9月末時点で5か国に113物件を持つREITです。
REIT(不動産投資信託)は、投資家から集めたお金で不動産を持ち、賃料収入の大部分を投資家に分配するしくみです。
FLCTは2016年に物流特化のREITとして上場しました。2020年に同じFrasers系のFrasers Commercial Trustと合併して、今の名前になりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Frasers Logistics & Commercial Trust |
| SGX(シンガポール取引所)コード | BUOU |
| 上場 | 2016年6月20日(当時の名称はFrasers Logistics & Industrial Trust) |
| 現名称 | 2020年4月29日、Frasers Commercial Trustとの合併で改称 |
| 運用会社 | Frasers Logistics & Commercial Asset Management Pte. Ltd.(Frasers Propertyの100%子会社) |
| スポンサー | Frasers Property Limited |
| 展開国 | オーストラリア、ドイツ、シンガポール、英国、オランダ |
| 決算期 | 9月 |
| 公式サイト | flct.frasersproperty.com |
事業の中身
2025年9月末時点の物件は113件、評価額は約S$69億。物流・産業施設(L&I)が評価額の75.1%を占めます。
| 国 | 物件数 | 評価額に占める割合 |
|---|---|---|
| オーストラリア | 64(物流61・商業3) | 45.6% |
| ドイツ | 33(物流) | 26.2% |
| シンガポール | 2(物流1・商業1) | 12.5% |
| 英国 | 7(物流4・商業3) | 10.2% |
| オランダ | 7(物流) | 5.5% |
商業物件は次のとおりです。
- キャンベラのCaroline Chisholm Centre
- パースのCentral Park(持分50%)
- 英国のFarnborough Business ParkやBlythe Valley Parkなど
主要テナントには次の企業などが並びます。
- オーストラリア連邦政府
- 物流のCEVA LogisticsやDSV
- 自動車のBMW
シンガポールの2物件
- Alexandra Technopark: Alexandra Roadのビジネスパーク。評価額S$7億1,100万、賃貸面積約9万5,700平方メートル
- 2 Tuas South Link 1: 西部Tuasの物流施設。2024年11月にS$1億4,030万で取得
業績の規模感
| 項目(2025年9月期) | 金額 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上(Revenue) | S$4億7,150万 | +5.6% |
| 調整後純不動産収入(NPI) | S$3億2,610万 | +1.9% |
| 分配可能利益 | S$2億2,470万 | -12.1% |
| 1口あたり分配金(DPU) | 5.95セント | -12.5% |
売上とNPIは増えた一方、分配金は1割強の減少でした。全体の稼働率は95.1%で、物流・産業施設は99.7%とほぼ満室。
一方、商業物件は86.1%にとどまり、決算資料ではAlexandra Technoparkの空室増にも触れています。
日本とのつながり

FLCTの展開国は次の5か国で、日本の物件は持っていません。
- オーストラリア
- ドイツ
- シンガポール
- 英国
- オランダ
スポンサーのFrasers Propertyグループとしては、大阪に接点があります。なんば駅から徒歩3分のサービスアパートメント「Fraser Residence Nankai, Osaka」を、Frasers Hospitalityが運営しています。
駐在員の仕事・暮らしとの接点
- オフィス探し・取引先として: Alexandra TechnoparkはAlexandra Roadのビジネスパーク。オフィスの拠点探しや倉庫・物流の相談相手としてFLCTの運用会社が出てくることがあります
- 物流の文脈で: 西部Tuasは港湾・工業地帯。2 Tuas South Link 1のような物流施設は、物流・製造業の駐在員には身近な存在です
- スポンサーのつながり: Frasers Propertyの過半数を持つTCC Assetsは、ThaiBevの支配株主であるSirivadhanabhakdi家の会社。郊外モールを持つFCTとは兄弟REITです
最近の動き
- メルボルンのオフィスを売却(2025年9月): 357 Collins StreetをA$1億9,210万で売却
- オランダの物流施設を取得: Hapertの物流施設を€4,300万で取得(2026年4月完了)
- スポンサーからドイツ・オランダの物流施設を取得(2026年7月完了): Frasers Propertyから4物件の持分を取得(うち2物件はスポンサーの欧州物流部門が開発)。物流・産業施設の比率を高めています
- 稼働率の改善: 2026年3月末の全体稼働率は96.1%に上昇
よくある質問
FLCTとFCTの違いは?
どちらもFrasers Propertyがスポンサーです。FCTはシンガポールの郊外モール、FLCTは豪州・欧州中心の物流施設とオフィス・ビジネスパークを持っています。
なぜ海外の物件が多いの?
物件数ではオーストラリアが64件と最多で、ドイツ・オランダの物流施設も多く持っています。2026年にはスポンサーからドイツ・オランダの物流施設4物件も取得しました。
Frasers PropertyとThaiBevの関係は?
Frasers Propertyの過半数を持つTCC Assetsは、ThaiBevの支配株主であるSirivadhanabhakdi家の会社です。
2024年9月には、ThaiBev子会社が持っていたFrasers Property株(約28.78%)をTCC Assetsに移す株式交換が完了しました。これでThaiBevグループはFrasers Property株を持たなくなりました。
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数字は各社の公式発表(2025年9月期、および2026年3月期中間決算)に基づきます。この記事は企業情報の紹介を目的としたもので、特定の銘柄の売買をおすすめするものではありません。
最終確認日: 2026-10-02 / 最新情報は公式ページよりご確認ください。


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