シンガポールの薬局・市販薬ガイド|薬の買い方と日本の薬の持ち込み注意【保存版】

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シンガポールに来て最初の体調不良で、戸惑うことがあるかもしれません。「日本で使っていた薬がどこにも売っていない」「薬剤師に何をどう伝えればいいのか分からない」といった場面です。

この記事では、HSA(保健科学庁)や保健省などの公式情報をもとに整理します。扱うのは、シンガポールの医薬品の区分、ドラッグストアでの薬の買い方、薬剤師への相談のしかた、日本の薬を持ち込むときのルールです。

症状ごとの薬の選び方や用量は扱いません。具体的な薬については、必ず薬剤師または医師に相談してください。

この記事はこんな方に

  • 💼働く側(駐在員ご本人)にとって出張や一時帰国で薬を持ち込むときのルールを確認できる
  • 🏡帯同する側(ご家族・パートナー)にとって家族の急な体調不良のとき、薬の買い方と薬剤師への相談のしかたがわかる

ざっくり言うと

  • 💊薬は3つの区分で売り場が違う
  • 🙋棚にない薬は薬剤師に相談
  • 🧳日本から持ち込むなら原則3ヶ月分まで
目次

まず知っておきたい:薬の3つの区分

薬局の棚(イメージ)
薬局の棚(イメージ)

シンガポールでは、医薬品(HSAの用語では「Therapeutic Products」)は、どこで・誰から入手できるかによって区分されています。

HSAの一般向け解説では、次の3つが説明されています。

区分 入手先(HSAの説明) HSAが挙げている例 買うときのポイント
General Sale List(GSL) 薬局、クリニック、小売店で棚から購入できる 解熱鎮痛薬(パラセタモール)、胸やけの薬などの制酸薬 説明書どおりに使えば医療者の管理なしで使える薬とされています。ラベルと添付文書を読んでから使います
Pharmacy-only(P) 薬剤師から入手。医師の処方箋は不要 アレルギー性鼻炎、咳、下痢、吐き気、脱毛などの軽い症状向けの薬 薬剤師は、症状と、名前・身分証番号・連絡先を記録することになっているため、これらを聞かれることがあります
Prescription-only(POM) 医師の処方が必要。クリニックで購入(特定の処方薬は、医師の処方箋があれば薬局でも購入可) 糖尿病、高血圧、高コレステロールなど継続的な管理が必要な病気の薬 処方箋なしには買えません。医師の診察を受けます

同じ成分でも、国によって区分が違うことがあります。

日本では市販されている薬と同じ成分の薬が、シンガポールでは薬剤師の対応が必要だったり、処方が必要だったりすることもあり得ます。

「日本で買えたから」と思い込まず、店頭で薬剤師に確認するのが確実です。

なお、HSAは医薬品の区分の見直し(Reclassification)を行っており、見直された薬の一覧を公開しています。区分は変わることがあるので、個別の薬の扱いは薬剤師に聞くのが確実です。

シンガポールで承認されている薬かを調べるには

HSAは、検索ポータル「Infosearch」で検索を公開しています。対象は「Register of Therapeutic Products(承認済み医薬品の登録簿)」と「Retail Pharmacy Licence Holders(小売薬局の許可を持つ事業者)」です。

オンラインで薬を買う場合や、見慣れない店を利用する場合の確認に使えます。

ドラッグストアと薬局の選び方・使い分けの基準

「どの店が良いか」よりも、「今の状況でどこに行くべきか」で考えると迷いません。保健省(MOH)の案内をもとにすると、次のように整理できます。

  • よくある症状について、市販薬のことを相談したい:薬剤師がいる薬局へ。MOHは、さまざまなよくある症状について薬剤師に相談できると案内しています。
  • 風邪やインフルエンザなど軽度〜中程度の症状で、診察を受けたい・処方薬が必要:GP(かかりつけの一般開業医)クリニックやポリクリニックへ(MOHはこうした症状の例として風邪やインフルエンザを挙げています)。日本語で受診したい場合は日本語が通じるクリニックガイドを参照してください。
  • 胸の痛み、呼吸困難、止まらない出血などの緊急症状:病院の救急部門へ。命に関わる緊急時は995に電話します。

店舗を選ぶときの基準は、次の3点です。

  1. その時間に薬剤師が勤務しているか:Pharmacy-onlyの薬は薬剤師からしか受け取れません。薬剤師の在籍状況は店舗・時間帯で異なる場合があるので、各チェーンの店舗検索で確認してから行くと確実です。
  2. HSAの許可を受けた薬局か:オンライン購入を含め、HSAは許可を受けた薬局からの購入をすすめています。
  3. 自宅や職場からの行きやすさ:体調が悪いときに遠くまで行くのは負担です。平時のうちに、自宅近くの薬剤師がいる店舗を1〜2か所把握しておくと安心です。

主なドラッグストア・薬局チェーン(公式に確認できた範囲)

以下は、在住者が日常的に目にする主なチェーンについて、各社や公的機関の公式ページで確認できたことだけをまとめたものです。特定の店をすすめる意図はありません。

掲載順に優劣はありません。日本語対応の有無は、いずれも公式に記載が見当たりませんでした。

チェーン・窓口 公式に確認できたこと 薬剤師について 日本語対応
Guardian シンガポール総合病院(SGH)の処方薬の受け取り・処方箋預け入れサービスの窓口になっている店舗がある(SGH公式) 薬剤師の在籍と勤務時間は店舗ごとに異なるため、来店前にGuardianの店舗検索で確認するようSGHが案内 公式に記載なし
Watsons 薬剤師によるサービス(インフルエンザ予防接種、糖尿病ケア、禁煙支援、服薬の確認・相談など)と、オンラインで薬剤師に相談できる「Pharmacy eConsultation」を案内 「資格を持つ薬剤師」がいると記載。対応店舗・時間・料金は公式で確認を 公式に記載なし
Unity 国内90以上の店舗。一般用医薬品に加え、調剤も行うと記載 店舗の薬剤師が相談に対応。オンラインの「Ask Our Pharmacists」、一部店舗では医師のビデオ診療(テレメディシン)も 公式に記載なし
HSA許可のe-pharmacy 許可を受けた小売薬局・卸業者が、処方薬(POM)とPharmacy-only(P)の薬をオンラインで供給できる制度 責任者の薬剤師を置き、必要に応じてリモートで服薬指導を行うことが条件 事業者による

Guardian

シンガポール総合病院(SGH)は、Guardianの一部店舗で使えるサービスを案内しています。SGHの処方箋を預けたり、薬の小包を受け取ったりできるサービスです。

その案内のなかには、薬剤師の在籍と勤務時間は店舗によって異なるとあります。そのため、事前にGuardianの店舗検索(Store Finder)で薬剤師の勤務時間を確認するよう書かれています。

Pharmacy-onlyの薬が必要な場合も、同じ確認をしてから行くと無駄足を防げます。

Watsons

Watsonsの公式サイトでは、薬剤師によるサービスとして次のものなどが紹介されています。

  • インフルエンザ予防接種(公式ブログではParagon店とWaterway Point店を案内)
  • 糖尿病ケア
  • 禁煙支援
  • 複数の薬を飲んでいる人の服薬の確認・相談

また、オンラインで薬剤師に相談できる「Pharmacy eConsultation」があります。一般用医薬品やサプリメントについて相談し、配送を手配できます。

受付時間や料金は公式サイトで確認してください。

Unity

FairPriceグループの公式サイトによると、Unityは国内90以上の店舗を展開しています。一般用医薬品の販売に加えて調剤も行っています。

店舗には薬剤師がいて、相談に応じます。自宅から薬剤師に質問できるオンラインサービス「Ask Our Pharmacists」や、一部店舗での医師のビデオ診療(テレメディシン)もあります。

Unityの公式サイトでは、次の内容なども案内されています。

  • 慢性疾患の管理のサポート
  • 禁煙プログラム
  • 旅行用の薬の相談

オンライン薬局(e-pharmacy)を使うとき

HSAは、e-pharmacyとして処方薬とPharmacy-onlyの薬をオンラインで供給することを認めています。対象は、許可を受けた小売薬局と卸業者に限られます。

規制薬物については、電子的な処方箋の受付や宅配はできないとされています。HSAは、許可を受けた薬局とその通販サイトから購入するよう強くすすめています。

また、HSAは消費者向けに、処方箋なしで処方薬を売ろうとするサイトや販売者には注意するよう呼びかけています。「100%安全」「奇跡の」「万能」のような誇大な表現も要注意のサインとして挙げられています。

薬剤師への相談のしかた:伝えることリスト

錠剤とカプセル(イメージ)
錠剤とカプセル(イメージ)

Pharmacy-onlyの薬は、薬剤師から受け取る区分です。HSAは、薬剤師がPharmacy-onlyの薬を渡す際に、症状と、名前・身分証番号・連絡先を記録しなければならないと説明しています。

英語に自信がなくても、次の項目をメモにしてスマホで見せられるようにしておくとスムーズです。

  • 誰が使うか(本人・子ども)、年齢、体重(子どもの場合は特に)
  • 症状と、いつから続いているか
  • いま飲んでいる薬やサプリメント(日本の薬なら、パッケージや添付文書の写真、成分名の英語表記)
  • これまでに薬で具合が悪くなったことがあるか
  • 妊娠中・授乳中かどうか

日本の薬の成分名は、添付文書やメーカーの公式サイトで英語表記を確認できる場合があります。赴任前に、家族がよく使う薬の成分名を控えておくと、現地で薬剤師に相談するときに役立ちます。

赴任準備の全体像は赴任準備チェックリストにまとめています。

薬剤師に相談して「受診したほうがよい」と言われたら、その判断に従ってください。症状が続く、悪化する、子どもがぐったりしているなどの場合は、市販薬で様子を見ずに医師の診察を受けましょう。

発熱があるときはデング熱にも注意

シンガポールでは、発熱の原因としてデング熱も考えられます。政府の健康情報サイトHealthHubのデング熱のページ(保健省提供)は、デング熱が疑われる場合はすぐに医療機関を受診するよう案内しています。

デング熱が疑われるときは、市販薬で様子を見ずに医療機関に相談してください。予防策はシンガポールのデング熱対策で解説しています。

処方薬が必要なとき

処方薬(POM)は医師の処方が必要です。HSAの説明ではクリニックで購入します(特定の処方薬は、医師の処方箋があれば薬局でも購入できるとされています)。

薬の受け取り方は医療機関によって異なるので、受診時に確認してください。

日本で継続して飲んでいる薬がある場合は、赴任後早めにかかりつけのクリニックを決め、日本の処方内容(薬の名前・成分・量)が分かる資料を持参して相談するとスムーズです。

日本語で相談できる医療機関は日本語が通じるクリニック・歯科・小児科ガイドを参考にしてください。

子どもの予防接種についてはシンガポールで子どもの予防接種で、日本との違いを整理しています。

日本の薬を持ち込むときのルール(HSA)

日本から処方薬を持ってくる、一時帰国のついでに薬を補充する、といった場合は、HSAの「Travelling with medications to Singapore」のルールを確認します。主なポイントは次のとおりです。

項目 HSAの案内(要約)
持ち込める量 3ヶ月分まで。持ち込みページでは3ヶ月分を超える輸入は認められないとされている(申請ページには3ヶ月分を超える場合の提出書類の記載もあるため、長期分が必要な場合はHSAに確認を)
承認不要の条件 居住国で本人または近親者に適法に処方された薬であること、規制物質(Document GuideのAppendix A)を含まないこと、禁止物質を含まないこと、ガムの形状でないこと、細胞・組織・遺伝子治療製品でないこと、のすべてを満たす
誰の薬か 本人と近親者(immediate family)の分のみ。それ以外の人の薬を持ち込んだり運んだりすることはできない
持参する書類 患者名・薬の名前・量などが分かる調剤ラベル、処方箋、または医師の手紙
事前承認が必要な薬 Misuse of Drugs Regulationsの第2・第3附則、Health Products (Therapeutic Products) Regulations 2016の第1附則に掲げる物質を含む薬など
持ち込めない薬 Misuse of Drugs Regulationsの第4附則の禁止物質(例:大麻)を含む薬、ガムの形状の薬、細胞・組織・遺伝子治療製品
申請の時期 処理期間を確保するため、到着の2週間以上前の申請を案内
申請書類 英語で記入。調剤ラベル・処方箋・医師の手紙と、製品名・有効成分・含量が分かる製品写真(PDFまたはJPG)
到着時 承認済みの薬は税関で申告不要。承認メールと書類を、ICA(入国管理局)職員に求められたら見せられるように持っておく
予定変更 承認は申請した到着日に対するもの。予定が変わったら再申請が必要
乗り継ぎのみ 入国審査を通らずトランジットエリアにとどまる場合は承認不要(禁止されている薬は不可)

注意したいのは、承認不要の条件が「居住国で処方された薬」となっている点です。

シンガポールに住んでいる方が一時帰国中に日本で処方を受けた薬がこの条件にどう当てはまるかは、HSAのページからは読み取れませんでした。該当する場合は、事前にHSAに確認してください。

HSAは、処方された薬が禁止物質や規制物質を含むかどうかを持ち込む本人が確認する責任がある、としています。日本で普通に処方されている薬でも、成分によっては事前承認が必要な場合があり得ます。

赴任や一時帰国の予定が決まったら、早めに薬の成分名を確認し、HSAのDocument Guideと照らし合わせてください。

日本の市販薬(処方薬でない薬)はどうなる?

HSAの持ち込みページは、処方された薬を前提に書かれており、日本の市販薬についての具体的な記載は見当たりませんでした。市販薬でも、成分によっては規制の対象になる可能性は否定できません。

持ち込む予定の薬がある場合は、成分を確認したうえで、判断に迷うものはHSAに問い合わせてください。

郵送・宅配で日本から薬を送ってもらう場合

HSAの持ち込みページには、郵便や宅配便で薬を送る場合の扱いについての記載は見当たりませんでした。家族に日本から薬を送ってもらうことを考えている場合は、事前にHSAに確認してください。

シンガポールの法律や罰金で日本人が特に気をつけたい点は、シンガポールの法律・罰金で日本人が気をつけることにまとめています。

申請が間に合わなかったら

HSAは、申請が間に合わない場合の選択肢も案内しています。シンガポール到着後にシンガポール医療評議会(SMC)に登録された医師を受診し、現地で薬や代わりの薬を処方してもらう方法です。

夜間・休日に薬が必要になったら

薬剤師のカウンター(イメージ)
薬剤師のカウンター(イメージ)

夜間や休日に開いている薬局については、公式に確認できる一覧が見当たりませんでした。そのため、この記事では具体的な店舗を挙げていません。

各チェーンの店舗検索で、最寄り店舗の営業時間と薬剤師の勤務時間を確認してください。

  • GPクリニックを探す:保健省はGPクリニックの営業時間をHealthHubのディレクトリで確認するよう案内しています。
  • 緊急時:命に関わる緊急時は995(SCDF救急)。SCDF(消防・救急を担う民間防衛隊)は、心停止、けいれん、呼吸困難、意識消失、大量出血、重いけが、脳卒中などを対象として挙げています。
  • 緊急でない救急搬送:SCDFは緊急でないケースを病院に搬送しない方針です。非緊急の救急車ホットライン1777は2027年1月1日に終了するとSCDFが案内しており、緊急でない移動には民間救急事業者やタクシー・配車サービスの利用、どこで受診すべきかの相談にはNurseFirstヘルプライン(6262 6262)が案内されています。

平日の昼間のうちに次の場所を確認しておくと、いざというときに慌てずに済みます。

  • 自宅近くの薬剤師がいる店舗
  • かかりつけのクリニック
  • 夜間に開いているクリニック

移動手段についてはMRT・バス・タクシー子連れガイドもご覧ください。

よくある質問

日本でよく使っていた薬が棚にありません。売っていないのでしょうか?

いくつかの可能性があります。

  • シンガポールで承認されていない
  • 別の商品名で売られている
  • Pharmacy-onlyで棚に出ていない
  • 処方が必要な区分である

成分名をメモして薬剤師に相談してください。同じ成分の薬があるかどうかも含めて確認できます。

薬剤師には英語で相談しないといけませんか?

主なチェーンの公式サイトには日本語対応の記載は見当たりませんでした。症状、服用中の薬、年齢などを英語でメモしておき、見せながら相談すると伝わりやすくなります。

日本語で相談したい場合は、日本語対応のクリニックを受診する方法もあります。

子どもの薬もドラッグストアで買えますか?

子どもに使う薬は、年齢・体重によって使える薬や量が変わる場合があります。薬剤師に子どもの年齢と体重を伝えて相談し、症状が続く場合や心配な場合は小児科を受診してください。

一時帰国のときに日本で処方薬をまとめてもらって持ち帰れますか?

HSAの案内では、持ち込めるのは3ヶ月分までです。成分によっては事前承認が必要で、HSAは到着の2週間以上前の申請を案内しています。

また、承認不要の条件は「居住国で処方された薬」とされています。そのため、シンガポール在住者が日本で処方を受けた薬の扱いは、事前にHSAに確認してください。

オンラインで薬を買っても大丈夫ですか?

HSAは、許可を受けた薬局とその通販サイトから購入するよう強くすすめています。処方箋なしで処方薬を売ろうとするサイトには注意するよう呼びかけています。

販売者が許可を受けているかは、HSAのInfosearchで確認できます。

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参考にした公式情報

この記事は一般的な情報提供を目的としており、医療上の助言ではありません。薬の選択や使用、持ち込みの可否など個別の判断は、薬剤師・医師、またはHSAなどの公式窓口に相談してください。記載内容は最終確認日時点で公式サイトから確認した情報で、規則やサービス内容は変更される場合があります。

最終確認日: 2026-10-02 / 最新情報は公式ページよりご確認ください。

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この記事を書いた人

シンガポールで暮らす日本人家族のための生活情報メディアです。週末のおでかけ、学校・習い事、住まい、お金や手続きのことまで、「知りたかった」をわかりやすくまとめています。読者の皆様にとって有益な情報を掲載するよう努めております。情報の誤りやリクエストは、お問い合わせからお気軽にどうぞ。

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