シンガポールの法律・罰金で日本人が気をつけること|持ち込み禁止品から公共マナーまで

イメージ画像: シンガポールの法律・罰金で日本人が気をつけること|持ち込み禁止品から公共マナーまで

シンガポールは「罰金の国」と言われることがあります。ただ、実際に日本人家族がつまずきやすいのは、日本では当たり前のモノや習慣がそのまま違反になる場面です。

一時帰国のお土産、常備薬、子どもの乗り物、駅での水分補給などが当てはまります。

この記事では、赴任前後の家族が知っておきたいルールを「持ち込み」「公共の場」「交通」「薬物」の4つに分けて整理しました。

罰則の金額は、政府機関の公式ページや法令に記載があるものだけを載せています。

この記事はこんな方に

  • 💼働く側(駐在員ご本人)にとって出張時の手荷物や運転など、知らずに違反しやすい点を確認できる
  • 🏡帯同する側(ご家族・パートナー)にとってお土産・常備薬・子どもの乗り物など、日常で気をつける点がわかる

ざっくり言うと

  • 🚭いちばん注意したいのは電子たばこ(持ち込みも禁止)
  • 💊処方薬は成分によって事前承認が必要
  • 🚯日常ではポイ捨て・飲食禁止の場所に注意
目次

この記事での整理の仕方

シンガポールの街並み(イメージ)
シンガポールの街並み(イメージ)

ルールは数多くありますが、ここでは次の3つの基準で優先度を決めました。

  • 日本の感覚では気づきにくいか:ガム、電子たばこ、たばこの免税枠がないことなど、日本では問題にならないもの。
  • 家族の日常で出会う頻度:MRT(都市鉄道)・バス、公園、歩道、コンド周辺など、毎日使う場所のルール。
  • 結果の重さ:罰金にとどまらず、没収、パスの取り消し、禁錮につながり得るもの。

罰金額は「上限」や「コンポジション(略式の罰金)」として示されていることが多く、実際の処分は状況によって変わります。記事中の金額はシンガポールドル($)です。

主なルールと罰則の早見表

場面 主なルール 公式に記載のある罰則 確認先
電子たばこ(ベイプ) 購入・所持・使用・輸入・販売はいずれも禁止 個人:罰金上限$10,000。エトミデート入りは罰金上限$20,000または禁錮10年以下、あるいはその両方 HSA(保健科学庁) / gov.sg
たばこの持ち込み 免税枠なし。1本から申告して課税 申告しない場合(初回):1箱(20本)ごとに$200 Singapore Customs
チューインガム 輸入禁止(HSAが承認した歯科用・医療用ガムを除く)。MRTの駅構内・車内でガムを噛むことも禁止 MRT構内での飲食・ガム:上限$500 Singapore Customs / 法令
処方薬 規制成分を含む場合は事前承認が必要。承認不要でも3か月分まで 没収または法的措置の可能性 HSA
MRT・LRT(郊外の小型鉄道) 指定場所以外での飲食禁止、禁煙、危険物の持ち込み禁止 飲食 上限$500、喫煙 上限$1,000、危険物 上限$5,000 法令(Rapid Transit Systems Regulations)
路線バス 車内での飲食禁止(2026年9月23日施行の規則) 上限$500 LTA(陸上交通庁)
ポイ捨て 公共の場でのごみのポイ捨て禁止 初回のコンポジション$300 NEA(国家環境庁)
喫煙 屋内の大半、バス停、公園、建物の出入口から5m以内などは禁煙 コンポジション$200、裁判での罰金は上限$1,000 NEA
酒類 公共の場での飲酒と持ち帰り用酒類の販売は毎日22:30〜翌7:00禁止 飲酒は罰金上限$1,000、再犯は上限$2,000または禁錮3か月以下、あるいはその両方(Liquor Control Zone内では1.5倍) MHA(内務省) / SPF
道路の横断 横断歩道から50m以内では横断歩道を使う。信号は青(green man)で渡る コンポジション$50 法令 / MHA
e-scooter・PMD e-scooterは歩道・車道とも走行禁止。Pedestrian-Only表示の歩道では自転車・キックボードも禁止 初回:罰金上限$2,000または禁錮3か月以下、あるいはその両方 LTA
麻薬 所持・使用・密輸などを厳しく処罰 使用:禁錮1年以上10年以下、罰金上限$20,000 CNB

持ち込みで注意すること

電子たばこ・ベイプ:持っているだけで違反

シンガポールでは、電子たばこ(e-vaporiser)を含む新しいタイプのたばこ製品や模造たばこ製品の購入・所持・使用、輸入・販売・流通が禁止されています。

日本で合法に使っているものでも同じ扱いです。

HSAによると、個人の違反は罰金上限$10,000です。

麻酔薬のエトミデートを含む製品は、2026年5月1日から規制が強化されました。罰金上限$20,000または禁錮10年以下、あるいはその両方になりました。

同日から、法律の名称もTobacco and Vaporisers Control Actに変わっています。

外国人向けの扱いも公式に示されています。

gov.sgによると、電子たばこを持っていた外国人は、製品を没収されたうえでNotice of Composition(略式の罰金通知)を受けます。

次の長期パス保有者は、3回目の違反でパスの取り消し、国外退去、再入国禁止となる可能性があります。

  • EP(専門職の就労パス)
  • S Pass(中技能の就労パス)
  • Work Permit
  • Student’s Pass
  • LTVP(長期滞在パス)
  • Dependant’s Pass(DP)

短期滞在の訪問者は、違反を繰り返すと出国後の再入国が禁止されます。

エトミデート入りの製品を所持・使用した場合や、エトミデートの検査で陽性となった場合も、パスの取り消し、国外退去、再入国禁止があり得るとされています。

駐在員本人だけでなく、DP(帯同家族パス)で暮らす家族や日本から遊びに来る親族にも、渡航前に伝えておくと安心です。

たばこ:免税枠はゼロ

Singapore Customsは、紙巻たばこやたばこ製品には免税枠もGST(物品サービス税)の輸入免除もないとしています。

1箱でも持ち込むなら、入国時に申告して税金を払う必要があります。

申告しなかった場合や申告内容が誤っていた場合、初回は1箱(20本)ごと、または端数ごとに$200のコンポジションが科されます。

シンガポールに持ち込むたばこには、包装を統一するStandardised Packaging(SP)のルールも適用されます。

お酒には条件付きで免税枠があります。18歳以上で、入国前に48時間以上シンガポール国外にいて、マレーシアからの入国でないことが条件です。

量は「スピリッツ1L+ワイン1L」などの組み合わせから選びます。一時帰国のお土産に日本酒を持ち帰るときは、Customsの公式ページで組み合わせを確認してください。

チューインガム:お土産にしない

Singapore Customsの輸入禁止品リストには、チューインガムが載っています(HSAが承認した歯科用・医療用ガムを除く)。

日本から持ってくるお菓子やお土産に入れないよう、荷造りの際に確認しておくと安心です。HSAの案内でも、ガムの形をした医薬品は持ち込めない品目とされています。

なお、MRTの規則では、駅構内・車内でガムを噛むことも禁止されています(罰則は上限$500)。

日本の常備薬・処方薬:成分によっては事前承認が必要

HSAの案内では、個人用の医薬品を持ち込む際に承認が必要かどうかは、有効成分によって決まります。

規制物質(Misuse of Drugs Regulationsの第2・第3附則などに載っている成分)を含む薬は、事前にHSAの承認を取る必要があります。

対象成分の一覧は、HSAの「Document Guide」のAppendix Aに載っています。

  • 承認が不要な薬でも:持ち込めるのは3か月分までです。処方箋や医師の手紙の写しを携帯し、薬は元の容器・包装のまま、患者名・薬品名・数量が書かれた薬局のラベルを付けておく必要があります。
  • 承認が必要な薬:申請書は英語で書き、処方箋・医師の手紙・薬局のラベルのいずれか(患者と処方医の情報、薬品名と成分、用量・回数、総量が分かるもの)と、薬の写真を付けて申請します。入国の2週間以上前に申請するよう案内されています。承認は申請した入国日に対するもので、日程が変わったら申請し直しです。
  • 持ち込めない薬:大麻成分を含む製品、ガムの形をした医薬品、細胞・組織・遺伝子治療製品です。
  • 家族の分:他人の薬は持ち込めません。例外は、近親者(immediate family)本人に処方された薬です。

子どもの薬や持病の薬を日本でまとめてもらう場合は、成分名(英語表記)を先に調べておくと確認がスムーズです。現地で同じ成分の薬を処方してもらう方法もあるので、日本語が通じるクリニックで相談しておくと安心です。

赴任準備全体は赴任準備チェックリストにまとめています。

公共の場で注意すること

禁煙のサイン(イメージ)
禁煙のサイン(イメージ)

MRT・LRT:駅構内も車内も飲食禁止

Rapid Transit Systems Regulationsでは、事業者などが指定した場所を除き、駅構内や車内での飲食が禁止されています。罰則の上限は$500です。

同じ規則では、次の上限も定められています。

  • 喫煙:上限$1,000
  • 危険物の持ち込み:上限$5,000
  • つばを吐く・ごみを捨てる・汚す行為:上限$5,000

子連れで気になるのが、ペットボトルの水や子どものおやつです。規則上、乳幼児の水分補給などの例外は確認できませんでした。

移動前に駅の外で済ませておくと安心です。

ドリアンについては、MRTの規則に果物の名前は出てきません。ただし、他の利用者の迷惑になる物や、駅の掲示・係員が禁止した物は持ち込めない決まりです。

SBS Transitは、ドリアンなど他の人の迷惑になり得る物をバスに持ち込まないよう呼びかけています。

路線バス:2026年9月23日から新しい規則を施行

LTAによると、2026年9月23日から路線バスとバスインターチェンジで新しい規則が施行されました。車内での飲食・ポイ捨て、座席に足をのせる、大音量で音声を流すといった行為は、罰金上限$500の対象です。

インターチェンジで他の人の通行を妨げる・危険を生じさせる行為や、バスや施設を汚す行為は上限$5,000です。係員は違反通知を出すことができます。

ポイ捨て:1回目から罰金

NEA(国家環境庁)によると、ポイ捨ては初回からコンポジション$300の対象です。

高層階からごみを投げ捨てた場合、有罪になったときの罰金は次のとおりです。

  • 初回:上限$2,000
  • 2回目:上限$4,000
  • 3回目以降:上限$10,000

最長12時間の清掃作業(Corrective Work Order)を命じられることもあります。

子どもがコンドのベランダから物を落とさないよう、家庭で話しておくとよいでしょう。

喫煙:禁煙エリアが広い

NEAによると、建物内や公共交通の車両内は、喫煙室を除いてほぼ禁煙です。屋外でも、次の場所が禁煙になっています。

  • 病院や学校の敷地
  • 公園
  • 貯水池
  • ビーチ
  • バス停
  • プール
  • 換気口・窓・出入口から5m以内

オーチャードロード周辺はNo Smoking Zoneです。喫煙できるのは指定喫煙所(DSA)だけです。

NEAの資料では、禁煙エリアでの喫煙はコンポジション$200、裁判での罰金は上限$1,000とされています。

DSAの場所はOneMapで確認できると案内されています。

お酒:夜22:30以降は公共の場で飲めない

Liquor Control (Supply and Consumption) Actにより、公共の場での飲酒と持ち帰り用酒類の販売は、毎日22:30から翌7:00まで禁止されています。

自宅や、飲食店・バーなど許可を受けた店の中では、許可された時間内であれば飲めます。

ゲイランとリトルインディアはLiquor Control Zoneです。週末や祝日前夜などはさらに制限が長く、違反の罰則も通常の1.5倍です。

コンドの共用エリアやBBQピットが「公共の場」に当たるかどうかは、コンドの規約と合わせて管理事務所に確認してください。

住まいのルール全般はコンド賃貸契約の流れと注意点でも触れています。

交通で注意すること

道路の横断:横断歩道から50m以内は必ず横断歩道へ

Road Traffic (Pedestrian Crossings) Rulesには、歩行者、自転車、PMDの利用者についての決まりがあります。

横断歩道の両側50m以内(標識でそれより短い距離が示されている場合はその距離)にいるときは、横断歩道を使わなければなりません。

信号のある横断歩道では、青(green man)が点灯しているときだけ渡れます。道路脇の柵を乗り越えたり、くぐったりすることも禁止です。

MHA(内務省)の国会答弁によると、jaywalking(横断ルール違反)のコンポジションは2019年4月1日に$20から$50へ引き上げられました。

自転車・キックボード・電動キックボード

自転車やキックボードなどのルールは、主にActive Mobility Act(LTAが所管)で決まっています。子どもが乗る場合も対象です。

  • e-scooter(電動キックボード):歩道では走行禁止で、走れるのは自転車道とPark Connectorです。車道も走れません。違反すると、罰金上限$2,000または禁錮3か月以下、あるいはその両方です。自転車道で乗るには理論試験に合格する必要があり、16歳未満は21歳以上の大人が付き添わないと乗れません。
  • Pedestrian-Only Paths:2025年7月1日から、自転車道に隣接する歩道の一部が歩行者専用になりました。路面の歩行者マークと「Pedestrians-Only」の表示が目印です。ここでは自転車、キックボードなど電動でないPMDも使えません。初回の違反は、罰金上限$2,000または禁錮3か月以下、あるいはその両方です。子どものキックボードや自転車で通学・公園に行くときは、ルートの表示を確認してください。
  • 共通ルール:走行中のスマートフォン使用禁止、「No Riding」表示では降りて押す、暗い時間はライトを点灯、事故のときは停止して連絡先を交換し警察に届け出る、といったルールがあります。LTAの資料では、歩道の制限速度は時速10km、自転車道と共用路(shared path)は時速25kmです。
  • 自転車で車道を走るとき:ヘルメットの着用、信号の遵守、道路の左端寄りを走ることなどが義務です。
  • 電動キックボードの購入・保管:UL2272認証がない電動PMDに公共の道で乗ると、初回で罰金上限$10,000または禁錮6か月以下、あるいはその両方です。2026年6月1日からは、UL2272認証のないe-scooterを保管しているだけでも違反になりました(個人の初回は罰金上限$2,000または禁錮3か月以下、あるいはその両方)。日本から持ち込む前に必ず確認してください。

薬物:「海外で合法」は通用しない

CNB(中央麻薬局)によると、Misuse of Drugs Actは規制薬物の次の行為を処罰の対象にしています。

  • 密売
  • 製造
  • 輸出入
  • 所持
  • 使用

使用の罰則は禁錮1年以上10年以下で、罰金は上限$20,000です。

大麻はClass Aの薬物です。所持(330g未満)は禁錮10年以下または罰金$20,000以下、あるいはその両方です。

一定量を超える密売には死刑も定められています。

シンガポール国民と永住権(PR)保有者は、国外で規制薬物を使用した場合もシンガポールの法律で処罰されます。大麻が合法な国・地域への旅行中でも、大麻成分を含む製品を持ち帰ることはできません。

HSAは、大麻成分を含む医薬品も持ち込み禁止としています。

家庭まわりのこと

マーライオン(イメージ)
マーライオン(イメージ)

住み込みヘルパーを雇う場合は、MOM(人材開発省)の雇用主向けルールが多くあります。詳しくはヘルパーを雇う方法(手続き・費用)で解説しています。

よくある質問

日本で買った電子たばこを、使わずにスーツケースに入れておくだけでも違反ですか?

HSAは購入・所持・使用・輸入をいずれも禁止としています。使わなくても、持っているだけで違反になり得ます。

持ち込まないのが確実です。

たばこを1箱だけ持っていく場合も申告が必要ですか?

必要です。Singapore Customsは、たばこには免税枠がないとしています。

申告して税金を払うか、持ち込まないようにしてください。

子どもの薬を日本から持っていきたいのですが、何を確認すればよいですか?

成分がHSAの規制物質リスト(Document GuideのAppendix A)に入っていないかを確認してください。入っていなければ3か月分まで持ち込めます。

入っていれば、入国の2週間以上前にHSAへ申請します。処方箋や医師の手紙の写しと、薬局のラベルが付いた元の包装も用意してください。

MRTの駅で子どもに水を飲ませるのも違反になりますか?

規則は、指定場所以外の駅構内・車内での飲食を禁止しています。乳幼児を例外とする記載は確認できませんでした。

改札に入る前に済ませる、判断に迷ったら駅員に聞く、のが安全です。

罰金を科されたら、パスや家族の滞在に影響しますか?

違反の内容によります。

電子たばこについては、長期パス保有者の3回目の違反やエトミデート入り製品の場合に、パスの取り消しや国外退去があり得ると公式に示されています。

短期滞在の訪問者は、違反を繰り返すと再入国が禁止されます。個別のケースは、会社の人事担当や弁護士に相談してください。

関連記事

公式情報の確認先

この記事は2026年9月29日時点の公式情報をもとにした一般的な解説で、法的な助言ではありません。法令や罰則、運用は変わることがあります。最新の内容は各機関の公式サイトで確認してください。個別の事情については、弁護士や各機関の窓口に相談してください。

最終確認日: 2026-10-02 / 最新情報は公式ページよりご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

シンガポールで暮らす日本人家族のための生活情報メディアです。週末のおでかけ、学校・習い事、住まい、お金や手続きのことまで、「知りたかった」をわかりやすくまとめています。読者の皆様にとって有益な情報を掲載するよう努めております。情報の誤りやリクエストは、お問い合わせからお気軽にどうぞ。

コメント

コメントする

目次