「娘のHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン、日本で打つつもりだったけれど、駐在中に対象年齢になってしまう」。そんな家庭に関係するニュースです。
シンガポール保健省(MOH)が、9価のHPVワクチンを2027年1月から国の予防接種スケジュールに加えると発表しました。日本の定期接種との違いと、駐在家族が確認しておきたい点をまとめます。
この記事はこんな方に
- 💼働く側(駐在員ご本人)にとって補助の対象と自己負担を確認し、日本と現地のどちらで受けるか決められる
- 🏡帯同する側(ご家族・パートナー)にとって娘の接種の時期と回数を、日本の記録と合わせて計画できる
ざっくり言うと
- 📅変わるのは2027年1月1日から。9〜26歳の女性向けに9価ワクチン(HPV9)が国のスケジュールに加わる
- 💰補助は発表で挙げられているのはシンガポール市民と永住権(PR)保持者
- 📒駐在家族は日本での接種記録を手元に用意し、どこで何回打つかをかかりつけ医に相談
何が変わる? 2027年1月から9価ワクチンが追加

子宮頸がんを防ぐHPVワクチンに、カバー範囲の広い「9価」が加わります。
- 📅 開始日:2027年1月1日(発表は2026年10月2日)
- 👩 対象:9〜26歳の女性
- 💉 追加されるワクチン:HPV9(製品名 Gardasil 9)
- 📋 追加先:子ども向けの予防接種スケジュール(NCIS)、成人向け(NAIS)、補助対象ワクチンのリスト(SVL)
MOHによると、これまでの2価ワクチン(HPV2、製品名 Cervarix)とHPV9は、どちらも子宮頸がんの70%の原因となるHPV16型・18型を防ぎます。
HPV9はさらに別の型もカバーし、合わせて約90%まで広がります。HPV2は選択肢としてスケジュールに残ります。
4価ワクチン(HPV4)はシンガポールでは入手できなくなっており、スケジュールから外されました。
出典: MOH 発表
接種回数と、すでに打ち始めている場合
回数は「1回目を何歳で打つか」で決まります。
| 1回目を打つ年齢 | 推奨される回数 |
|---|---|
| 9〜14歳 | 2回 |
| 15〜26歳 | 3回 |
- 🆕 まだ打っていない人:HPV2・HPV9のどちらでも開始・完了できる
- 🔄 HPV2やHPV4で途中まで打った人:残りの回をHPV9で完了できる
- ✅ 推奨回数を打ち終えた人:HPV9の追加接種は推奨されていない
- ⏳ 26歳までに終わらなかった人:残りの回はできるだけ早く、45歳まで接種できる
日本で2価や4価を途中まで打って渡星した場合も、考え方の出発点は同じです。何をいつ打ったかが分からないと医師も判断できないので、母子手帳や接種済証が手元にあるか確認しておきましょう。
Secondary 1・2の学校接種もHPV9に切り替え

中学1・2年にあたるSecondary 1・2の女子生徒が対象の学校接種で、使うワクチンが変わります。
- 🏫 実施:保健促進局(HPB)の学校接種プログラム
- 👧 対象:Secondary 1・2の女子生徒(現在、無料で実施)
- 🔄 2027年1月1日から:まだ始めていない、または途中の生徒はHPV2からHPV9へ
- ✅ すでに打ち終えた生徒:学校接種でのHPV9の追加接種は対象外
娘さんがローカル校のSecondaryに通っている、またはこれから進学する家庭は、学校から届く接種の案内をよく読んでください。
外国籍の生徒がどう扱われるかも、その案内か学校への問い合わせで確かめるのが確実です。
補助の対象は市民とPR。EP・DPの家族は?
発表に書かれている補助の対象は、シンガポール市民と永住権(PR)保持者です。
| 対象 | 補助の内容(2027年1月1日から) | 受けられる場所 |
|---|---|---|
| 市民の子ども | 全額補助 | CHAS GPクリニック、ポリクリニック |
| 市民の成人 | 所得に応じて最大75%補助 | CHAS GPクリニック、ポリクリニック |
| PR | 補助あり | ポリクリニック |
対象者の接種の予約は、参加しているCHAS GPクリニックなら予約サイト vaccine.gov.sg から、ポリクリニックなら予約を取って受けます。
EP(就労パス)やDP(帯同パス)で滞在している家族は、この補助の対象として挙げられていません。編集部としては、クリニックで打つなら補助なしの自費になる前提で考えておくのがよいと見ています。
予約の前に、回数分を合わせた総額をクリニックに聞いておくと安心です。
日本の定期接種とくらべると

日本はすでに9価が公費の対象。スケジュール上の対象年齢の幅が異なります。
| 日本(定期接種) | シンガポール(2027年1月〜) | |
|---|---|---|
| 対象 | 小学6年〜高校1年相当の女子(標準は中学1年) | 9〜26歳の女性 |
| 9価ワクチン | シルガード9。2023年4月から公費で接種可 | Gardasil 9。2027年1月1日から国のスケジュールに追加 |
| 2回で済む条件 | 1回目を15歳の誕生日の前日までに受け、5か月以上あけて2回目 | 1回目が9〜14歳 |
| それ以外 | 3回 | 1回目が15〜26歳なら3回 |
厚生労働省によると、現在日本で公費で打てるのは9価のシルガード9です。
2価・4価で始めた人は、原則として同じ種類のワクチンで続けることが勧められています。ただし、医師と相談のうえ途中から9価に切り替えて残りを完了することもできます。
出典: 厚生労働省 HPVワクチン/厚生労働省 シルガード9について
なお、日本のキャッチアップ接種(平成9〜20年度生まれの女性が対象)は、1回目の接種が2025年3月31日で終了しています。
期間中に1回以上打った人が残りを公費で受けられる期限も、2026年3月末までと案内されていました。
「帰国したらキャッチアップで」と考えていた家庭は、予定を見直しておきましょう。
出典: 厚生労働省 キャッチアップ接種
家庭のタイプ別・確認しておくこと
ここからは編集部からの一般的なアドバイスです。
ローカル校に通う娘さんがいる家庭
学校接種の案内が届いたら、日本ですでに打った回数を保護者が把握しているかがポイントです。打ち終えている場合や途中の場合は、接種記録を添えて学校かかかりつけ医に伝えましょう。
インター校・日本人学校の家庭
学校での接種を前提にせず、かかりつけのクリニックに次の点を聞いておくと話が早く進みます。
- 「HPV9を扱っているか」
- 「回数と費用」
- 「日本での接種記録をどう引き継ぐか」
日本語で相談したい場合は、日本語が通じるクリニックが便利です。
日本で途中まで打った・帰国が近い家庭
母子手帳など、ワクチンの種類と接種日が分かる記録を受診時に持参してください。
日本の定期接種の対象年齢(小6〜高1相当)のうちに帰国する予定なら、シンガポールで始めるか帰国後に始めるかも含めて医師に相談を。
接種するかどうか、どのワクチンを何回打つかは、年齢や接種歴、体調によって変わります。個別の判断は必ず医師に相談してください。
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最終確認日: 2026年10月2日。制度の内容は変更になることがあります。接種の前にMOH・厚生労働省の最新情報を確認してください。この記事は一般的な情報で、医療上の助言ではありません。


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