シンガポール駐在が決まると、引っ越しや学校選びと同じくらい気になるのが「税金はどこに、いくら払うのか」です。
日本の所得税と住民税、シンガポールの所得税は、それぞれ別のルールで動いています。しかも出国の年・駐在中・帰国の年で扱いが変わるため、全体像がつかみにくいテーマです。
この記事はこんな方に
- 💼働く側(駐在員ご本人)にとって日本とシンガポールでの納税と、出国・帰国時の手続きの全体像がわかる
- 🏡帯同する側(ご家族・パートナー)にとって家計に関わる住民税や扶養の扱い、自分に必要な手続きを確認できる
ざっくり言うと
- 🗾1年以上の駐在なら日本では原則「非居住者」に
- 📋出国前に年末調整・納税管理人・住民税
- 🇸🇬シンガポールではIRAS(内国歳入庁)への申告が必要
この記事では、国税庁・総務省・金融庁・IRAS(シンガポール内国歳入庁)など公式ページで確認できたルールだけを使いました。駐在員とその家族が押さえておきたい税金の基本を、時系列で整理しています。
編集部は税理士ではありません。ここに書くのはあくまで一般的な仕組みです。
ご自身のケースの判断は、会社の人事・経理部門や、日本またはシンガポールの税理士に確認してください。
まず押さえる基準:税金は「どこの居住者か」で決まる

日本とシンガポールの税金を考えるときの出発点は、それぞれの国で自分が「居住者」か「非居住者」かです。同じ人が、日本では非居住者、シンガポールでは居住者、という組み合わせになるのが典型的な駐在員のパターンです。
日本の判定:1年以上の予定で出国すると原則「非居住者」
国税庁の説明では、居住者とは「国内に住所を有し、または現在まで引き続き1年以上居所を有する個人」です。それ以外が非居住者です。
住所は「生活の本拠」を指し、客観的な事実で判定されます。
海外転勤については、次のように整理されています。1年以上の予定で海外の支店などに転勤する場合は非居住者、1年未満の予定なら居住者のままです。
実際に何年いたかではなく、出国時点での予定が基準になる点がポイントです。
予定が変わった場合(1年未満で帰国した、短期出張のつもりが1年以上になった等)の扱いは、個別の判断になります。該当しそうなときは会社の経理か税理士に確認してください。
非居住者になると、日本で課税されるのは「国内源泉所得」だけになります。
会社員(使用人)がシンガポールで常時勤務して受け取る給与は、日本の本社から支払われていても国内源泉所得には当たらないとされています。この給与は、日本での源泉徴収も不要とされています。
シンガポールの判定:183日ルールと2年・3年の特例
IRASによると、外国人は次のいずれかに当てはまれば、その課税年度(YA)の税務居住者になります。
- 前の暦年にシンガポールに183日以上滞在・勤務した
- 3年連続でシンガポールに滞在・勤務した(初年度や3年目が183日未満でも3年とも居住者)
- 2つの暦年にまたがって継続勤務し、前後の滞在も含めて合計183日以上(会社の取締役・芸能人・専門職を除く従業員が対象)
また、有効期間1年以上の就労パスを持つ外国人も居住者として扱われます。ただし、退職や帰任でタックスクリアランスを行う時点で、実際の滞在日数をもとに改めて判定されます。
シンガポールの所得税は「前年課税」です。たとえばYA2026の税金は、2025年1月1日〜12月31日の所得に対してかかります。
赴任した年の所得を、翌年の春に初めて申告する流れになるのはこのためです。
比較表:出国の年・駐在中・帰国の年にやること
日本とシンガポールの手続きを時系列で並べると、次のようになります。会社がどこまで代行するかは会社によって違うので、「誰がやるか」は人事に確認してください。
| 項目 | 出国の年 | 駐在中 | 帰国の年 |
|---|---|---|---|
| 日本の所得税(給与) | 出国日までに会社が年末調整。保険料控除は出国日までに払った分だけ | シンガポール勤務分の給与は原則日本で課税なし(役員報酬は別扱い) | 帰国後に支給される給与で年末調整。条件により確定申告 |
| 日本の所得税(給与以外) | 不動産収入などで申告が必要なら、納税管理人を出国日までに届出(定めない場合は出国までに申告) | 日本の不動産収入などの国内源泉所得は、翌年2月16日〜3月15日に納税管理人を通じて申告 | 非居住者期間の国内源泉所得と帰国後の所得を合わせて申告する場合あり |
| 住民税 | その年の1月1日に日本に住所があれば、前年所得分の住民税がかかる。残りの納め方を会社・市区町村に確認 | 1月1日に日本に住所がなければ、その年度は課税されない | 翌年1月1日に日本に住所があれば、帰国の年の所得をもとに翌年度に課税 |
| シンガポールの所得税 | 到着後の滞在日数で居住者判定(183日・2年・3年ルール) | 例年3月〜4月中旬に申告(2026年は3月1日〜4月18日。AIS対象なら給与は自動取込) | 帰任の1か月以上前に会社がIR21を提出、税額確定後に精算 |
| NISA・iDeCo・ふるさと納税 | NISAは出国前に金融機関で手続きを確認。iDeCoは加入資格を確認 | NISAは新規の買付け不可。ふるさと納税は日本で課税がなければ控除の効果なし | NISA・iDeCoの帰国時手続きを金融機関で確認 |
出国の年:日本側の手続き
年末調整は「出国の日まで」
1年以上の予定で海外転勤する人については、給与を支払う会社が出国の日までに年末調整をすることになっています。12月を待たずに、出国時点でその年の所得税を精算するイメージです。
注意したいのは控除の範囲です。社会保険料や生命保険料などの保険料控除は、出国する日まで(居住者だった期間)に支払った分に限られます。
一方、扶養控除や配偶者控除は、出国時の状況で判定されます。生命保険料控除証明書など、年末調整に必要な書類を赴任準備の中で早めに会社に出せるようにしておきましょう。
納税管理人:日本に申告が必要な収入が残る人は必須
非居住者になった後も、日本で確定申告が必要な場合があります。自宅を賃貸に出す、日本に家賃収入のある不動産を持っているなどです。
この場合は、納税管理人を定めて税務署に届け出る必要があります。
納税管理人は、次のことを本人に代わって行う人です。
- 確定申告書の提出
- 税務署からの書類の受け取り
- 納税など
個人でも法人でも構いません。日本に住む家族や親族、税理士などに依頼することが考えられます。
届出は「所得税・消費税の納税管理人の選任・解任届出書」を、納税地を所轄する税務署長に出します。提出時期は、納税管理人を定めたとき、または出国の日までです。
e-Taxのほか、書面の持参・郵送でも出せます。
納税管理人を定めずに出国する場合は、出国の時までに確定申告をすることになっています。対象は、その年の居住者期間のすべての所得です。
出国直前は手続きが重なります。日本に収入が残る人は、早めに納税管理人を決めておくほうが安心です。
住民税:「1月1日の住所」で翌年度まで決まる
住民税は、その年の1月1日時点で住所がある市区町村(都道府県)で課税され、金額は前年1年間の所得で計算されます。所得割の標準税率は10%(道府県民税4%、市町村民税6%。政令指定都市は2%と8%)です。
このルールを駐在に当てはめると、次のようになります。
- 出国の年:その年の1月1日に日本に住所があるので、前年の所得に対する住民税がその年度分として課税されます。会社員は給与から天引き(特別徴収)されているため、出国で給与天引きができなくなる分をどう納めるかを、会社と市区町村に確認しておきます。
- 翌年:翌年1月1日に日本に住所がなければ、その年度の住民税は課税されません。つまり出国の年の所得には、原則として日本の住民税がかかりません。
このため、出国日が12月末か1月初めかで、翌年度の住民税がかかるかどうかが変わります。赴任日を選べる場合は、この点も人事と相談する価値があります。
住民票の転出手続きの時期も含めて、具体的な取扱いは住んでいる市区町村に確認してください。
金融資産が多い人は「国外転出時課税」も確認
出国時に含み益に課税される「国外転出時課税制度」の対象になるのは、次の両方に当てはまる人です。
有価証券などの対象資産が合計1億円以上あること。そして、国外転出の日前10年以内に日本に住所・居所があった期間が合計5年を超えることです。
多くの駐在員には当てはまりません。対象になりそうな方は、出国前に必ず税理士に相談してください。
駐在中:シンガポールの所得税

居住者の税率:0〜24%の累進
IRASの税率表で最新のものは「YA2024以降」の表です(2026年9月29日時点。これより新しい税率表は掲載されていません)。
課税所得(各種控除後)に対して、次の累進税率がかかります。
| 課税所得(S$) | 税率 | その区分までの税額の累計(S$) |
|---|---|---|
| 最初の20,000 | 0% | 0 |
| 20,000超〜30,000 | 2% | 200 |
| 30,000超〜40,000 | 3.5% | 550 |
| 40,000超〜80,000 | 7% | 3,350 |
| 80,000超〜120,000 | 11.5% | 7,950 |
| 120,000超〜160,000 | 15% | 13,950 |
| 160,000超〜200,000 | 18% | 21,150 |
| 200,000超〜240,000 | 19% | 28,750 |
| 240,000超〜280,000 | 19.5% | 36,550 |
| 280,000超〜320,000 | 20% | 44,550 |
| 320,000超〜500,000 | 22% | 84,150 |
| 500,000超〜1,000,000 | 23% | 199,150 |
| 1,000,000超 | 24% | — |
たとえば課税所得がS$150,000の場合です。S$120,000までの税額S$7,950に、残りS$30,000×15%=S$4,500を足してS$12,450です(控除やリベートを考慮する前の概算)。
税率そのものは最高24%ですが、実際に払う税額の割合はこれよりかなり低くなります。
年によっては、税額の一部を差し引く「Personal Income Tax Rebate」が実施されることもあります(直近ではYA2025に税額の60%、上限S$200)。
居住者は、シンガポールで得たすべての所得に課税されます。ただし、国外で得た所得をシンガポールに持ち込んでも原則非課税です(シンガポールのパートナーシップ経由の所得を除く)。
非居住者の給与は「15%」と「累進税率」の高いほう
居住者の条件を満たさない場合、給与所得には「一律15%」と「居住者の累進税率」のうち、税額が高いほうが適用されます。人的控除も使えません。
先ほどのS$150,000の例で比べると、非居住者なら15%でS$22,500です。居住者の概算S$12,450との差は約1万ドル(S$10,050)になります。
取締役報酬や不動産の賃料など給与以外の所得は、非居住者の場合24%です。
年60日以下の短期勤務の給与は非課税(取締役・芸能人・専門職などは除く)、61〜182日は非居住者扱い、というルールもあります。
赴任の初年度や、年の途中で着任・帰任する年は、2年ルール・3年ルールで居住者になれるかどうかで税額が大きく変わります。会社から届く試算の前提を確認しておくと安心です。
IR8AとAIS:給与の情報は会社から届く
シンガポールの雇用主は、従業員ごとに前年の給与をまとめた「IR8A」を準備します。翌年3月1日までに準備することが法律で決まっています。
会社が提供する住居や車などの現物給与(benefits-in-kind)があれば、Appendix 8Aも作成します。ストックオプションなどの利益があれば、Appendix 8Bも作成します。
IRASの記入要領では、現金で支給される住宅手当はIR8A本体の手当欄で扱われます。会社が用意した住居は、App 8Aの現物給与として扱われます。
社宅がある方は、App 8Aの内容も見ておきましょう。
会社がAIS(Auto-Inclusion Scheme、雇用主が給与情報を税務当局へ直接送る制度)に参加していれば、会社が3月1日までにIRASへ電子提出します。その内容が本人の申告書に自動で入ります。
この場合、給与所得を自分で入力する必要はありません。会社は紙のIR8Aを従業員に渡す必要もありません。
2026年に従業員5人以上の雇用主などは、AISへの参加が義務です。
会社がAISに入っていない場合は、3月1日までに紙のIR8Aが本人に渡されます。それを見ながら申告します。
申告期限は4月18日
Tax Season 2026では、申告は3月1日から4月18日まででした。myTax Portal(SingpassまたはSingpass Foreign user Account)でのe-Filing、紙の申告とも期限は4月18日でした。
追加の時間が必要な場合は、最大14日の延長を申請できます。申告後、税額通知(Notice of Assessment)は概ね4月末から9月末にかけて届きます。
申告が必要なのは、原則として前年の総所得がS$22,000を超える人、シンガポールで所得を得た非居住者(金額にかかわらず)などです。
IRASから申告の通知(SMS・メール・手紙)を受け取った人は、金額にかかわらず申告します。
一方、「No-Filing Service」の対象者は申告不要です。ただし、プレフィルされた内容に誤りがないか4月18日までに確認できます。
毎年の日程はIRASが告知します。2027年分は公式ページで確認してください。
駐在中:日本側で気をつけること
日本の不動産収入は日本で申告
非居住者になっても、日本の不動産を貸して受け取る賃料は日本で課税されます。
賃料の支払いを受ける際に、原則として20.42%の所得税・復興特別所得税が源泉徴収されます(借主が個人で、自分や親族の住まいとして借りている場合は源泉徴収の対象外)。
非居住者期間の所得が所得控除の合計額を超える場合は、確定申告をします。時期は翌年2月16日から3月15日までで、納税管理人を通じて行います。
日本の会社の役員を兼ねている場合
使用人(一般の社員)として海外で勤務する分の給与は、日本では課税されません。
一方、日本の会社(内国法人)の役員として受け取る報酬は、海外勤務に対するものでも国内源泉所得に当たります。この報酬は20.42%で源泉徴収されます。
国内で勤務していた期間に対応する賞与を出国後に受け取る場合も、同じ税率で源泉徴収が必要です。
日星租税条約とタックスイコライゼーション
日本とシンガポールの間には租税条約があります。同じ所得に二重に課税されることを避ける仕組みが定められています。
IRASの一般的な説明では、多くの租税条約で、次のすべてに当てはまる場合は勤務地の国で免税になるとされています。
- 勤務地の国での勤務が一定期間(典型的には12か月で183日)未満
- 雇用主がその国の居住者ではない
- その国の支店などが給与を負担していない
長期出張と駐在の境目にいる方や、日本の会社から給与が出ている方は、条約の適用を会社の経理や税理士に確認してください。
シンガポールの税務居住者が日本などで条約上の特典を受けるには、居住者証明(Certificate of Residence)を相手国に出す必要があります。この証明はIRASが発行します。
また、日系企業の駐在員制度では、タックスイコライゼーション(税額の均衡化)などの仕組みを採る会社があります。「日本にいた場合と同じ手取りになるように会社が税金の差額を負担する」仕組みです。
この場合、個人では判断しにくい論点が出てきます。本人の給与明細の見え方や、会社が負担した税金自体が課税対象の所得として扱われるかどうかなどです。
制度の有無と中身は会社によって異なります。赴任前に人事から説明を受けておくのがいちばん確実です。
ふるさと納税・iDeCo・NISAへの影響
ふるさと納税
ふるさと納税は、寄附した年の所得税と翌年度の住民税から控除される仕組みです。
駐在中で日本の所得税・住民税がかからない年は、差し引く税金がないため控除の効果は得られません。出国の年に寄附をするなら、その年の日本での課税がどうなるかを踏まえて金額を決めましょう。
原則は確定申告です。寄附先が5団体以内で確定申告が不要な給与所得者などは、ワンストップ特例を使えます。
ただし総務省の説明では、ワンストップ特例の場合は所得税からの控除は行われません。控除額の全体が翌年度の住民税から差し引かれます。
出国の年は、申告の有無や翌年度の住民税の有無が通常と変わることがあります。寄附の前に税務署や税理士に確認してください。
iDeCo
iDeCo公式サイトによると、2022年5月の制度改正で、国民年金に任意加入している海外居住者もiDeCoに加入できるようになりました。
年齢などの具体的な条件は公式サイトで確認してください。
一方、駐在中も日本の厚生年金に加入し続けるかどうかは会社の制度によります。自分がどの区分になるかで手続きが変わります。
出国前に人事と、iDeCoの口座がある運営管理機関に確認してください。
NISA
金融庁のNISA特設サイトのQ&Aには、転任の命令などやむを得ない理由で一時的に出国する場合の説明があります。
あらかじめ手続きをしておけば、NISA口座で保有している上場株式等について一定期間、非課税の適用を続けられます。ただし出国中に新たな買付けはできません。
取扱いや手続きは金融機関によって異なり、対応していない金融機関もあります。出国が決まったら、口座のある金融機関にすぐ問い合わせてください。
必要な手続きや期限も金融機関ごとに確認しておきましょう。
帰国の年:日本とシンガポールの精算

シンガポール:IR21は帰任の1か月以上前
シンガポール国籍でない従業員が次のいずれかに当てはまる場合、雇用主は少なくとも1か月前にIR21を提出してIRASに届け出る必要があります。
- 退職する
- 海外赴任に出る
- 3か月を超えてシンガポールを離れる
これが「タックスクリアランス」です。
会社は、出国や退職を知った時点から、給与・賞与・各種手当などの支払いを留保(保留)することになっています。
IR21は多くが21日以内に処理されます。IRASが税額を確定すると、会社に通知(Clearance Directive)が届き、留保していたお金から税金が納められます。
足りない場合は、Statement of Accountの日付から7日以内に本人が不足分を払います。
GIRO(口座自動引き落とし)の分割払いは、タックスクリアランスの時点で終了します。未行使のストックオプションなどは、行使したとみなして課税されます。
税金が未納のままだと、IRASが出国制限命令(travel restriction order)などの措置をとることもあります。
実務上は、帰任日が決まったらすぐに人事へ伝え、会社がIR21を期限内に出せるようにすることが大切です。帰任の年の滞在日数によっては、居住者・非居住者の判定も改めて行われます。
日本:帰国後の給与で年末調整、条件により確定申告
帰国した年は、帰国日以後その年の年末までに支給される給与が年末調整の対象です。その給与に非居住者だった期間の勤務分が含まれていても、総額が対象になります。
社会保険料控除などは帰国日以後に支払った分、扶養控除などの人的控除は国内勤務の人と同じ扱いです。
次のような人などは、原則として確定申告が必要です。帰国後の給与収入が2,000万円を超える人や、帰国前の国内源泉所得と帰国後の年末調整の対象外の所得の合計が20万円を超える人です。
非居住者だった期間に日本で不動産収入があった方は、該当しやすいので注意してください。医療費控除などは帰国後に支払った分で計算します。
住民税は、帰国した翌年の1月1日に日本に住所があれば、帰国の年の所得をもとに翌年度から課税されます。
よくある質問
駐在中、日本の所得税はまったくかからないのですか?
1年以上の予定で赴任し非居住者になった会社員が、シンガポールでの勤務に対して受け取る給与には、日本の所得税は原則かかりません。
ただし、日本の不動産収入などの国内源泉所得は日本で課税されます。日本の会社の役員報酬も、海外勤務分でも20.42%で源泉徴収されます。
当てはまるものがないか、出国前に一度洗い出しておきましょう。
赴任した最初の年は、シンガポールの居住者になれますか?
その年に183日以上滞在・勤務していれば居住者です。
183日に満たなくても、翌年まで継続して勤務し、前後の滞在を含めて合計183日以上になれば、2年ルールで両方の年が居住者扱いになります。3年連続なら、3年ルールで3年とも居住者になります。
最終的な判定はIRASが行い、帰任時のタックスクリアランスで見直されることもあります。
シンガポールの申告は自分でしなければいけませんか?
会社がAISに参加していれば、給与はIRASに自動で連携され、申告書にあらかじめ入った状態になります。IRASからの通知で申告不要(No-Filing Service)とされる場合もあります。
ただし申告の通知を受け取った場合は、会社がAISに参加していても申告が必要です。給与以外の所得がある場合も申告が必要になることがあります。
会社によっては申告の支援制度があるので、まず人事に確認するのが近道です。
納税管理人は誰に頼めばいいですか?
国税庁の説明では、個人でも法人でも納税管理人になれます。日本に住む家族や親族に頼むこともできます。
不動産収入の申告が毎年必要になる場合は、税理士に依頼すると申告書の作成まで任せられます。届出は出国の日までに出すのが原則です。
帰任が急に決まりました。まず何をすればいいですか?
シンガポール側では、会社が少なくとも1か月前にIR21を出す必要があります。日程が決まった時点で人事に伝えてください。
日本側では、帰国後の年末調整に必要な書類(扶養控除等申告書など)を帰任先の会社に出す準備をします。非居住者期間に日本で収入があった方は、確定申告が必要かを確認します。
子どもの学校の手続きや引っ越しと重なる時期です。税金の手続きは、会社の案内に沿って早めに片付けておくと安心です。
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最終確認日: 2026-10-02 / 最新情報は公式ページよりご確認ください。


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