Ang Mo KioやWoodlandsに拠点を持つ「Venture Corporation」。名前はよく聞くのに、自社ブランドの製品が店頭に並んでいるわけではないので、何の会社かピンとこない人も多いかもしれません。
実は、世界のハイテク企業の製品を開発段階から一緒につくる、シンガポール発の製造サービス会社です。
この記事はこんな方に
- 💼働く側(駐在員ご本人)にとって製造業の委託先・競合として、事業の中身と拠点をつかめる
- 🏡帯同する側(ご家族・パートナー)にとって身近な地名に拠点を持つ、ものづくり企業の姿がわかる
ざっくり言うと
- 🔬何の会社?医療・ライフサイエンス機器や計測器などを受託で開発・製造する会社
- 🇯🇵日本とは?日本に製造拠点はなし。日系メーカーにとっては委託先の候補・比較相手
- 👔駐在員との接点は?製造業の取引先・協力会社として。シンガポール国内に4つの拠点
Venture Corporationってどんな会社?

「つくる」だけでなく、研究開発から量産、調達までまとめて引き受けるのが強みです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Venture Corporation Limited |
| SGX(シンガポール取引所)コード | V03 |
| 設立 | 1989年 |
| 本社 | シンガポール(Ang Mo Kio) |
| 経営トップ | Wong Ngit Liong 執行会長(創業者)、Wong Chee Kheong グループCEO |
| 事業領域 | 電子機器・精密機器の開発・製造受託 |
| 決算期 | 12月 |
| 従業員数 | 約11,000人(グループ40社超) |
| 公式サイト | venture.com.sg |
1989年に創業し、いまは世界に40社以上のグループ会社を持ちます。顧客は100社を超える世界の企業で、Fortune 500企業も含まれます。
研究開発、製品・工程の設計、製造、サプライチェーン管理までをまとめて請け負います。
事業の中身
Ventureは事業を「テクノロジー領域」に分けて説明しています。主な領域は次のとおりです。
| 領域 | 主な中身 |
|---|---|
| Life Sciences・MedTech | ゲノム解析、分子診断、医療機器・ヘルスケア機器 |
| Test Measurement・Instrumentation | 試験・計測機器 |
| Next Gen Communications | ネットワーク・通信機器 |
| Smart Industrial | 半導体製造装置、先端産業機器、コンピューティング |
| Lifestyle・Wellness | 高級ライフスタイル・ウェルネス関連機器 |
製造拠点は次の国にあります。
- シンガポール(Ang Mo Kio・Jurong・Marsiling・Woodlands)
- マレーシア(Johor Bahru・Penang・Senaiなど)
- 中国(Jin Qiao・Zhangjiang・Suzhou)
- 米国(Milpitas)
スペインのBarcelonaにも拠点があります。
業績の規模感
※ 金額のMは百万の単位です。
| 項目 | 2025年12月期 | 2024年12月期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | S$2,534.5M | S$2,735.9M | -7.4% |
| 純利益(株主帰属) | S$227.0M | S$245.0M | -7.3% |
2025年12月期は売上・純利益とも前期より7%ほど減りました。
一方、2026年6月中間期は増収増益に戻っています。売上はS$1,354.7M(前年同期比+7.4%)、純利益はS$119.3M(同+5.6%)です。
会社によると、次の領域が伸びています。
- 試験・計測機器
- ネットワーク・通信
- 半導体関連装置
ライフサイエンスやAI向けインフラ関連の需要も増えています。
日本とのつながり

製造拠点の一覧に日本は入っておらず、日本企業との合弁や出資の関係も公表されていません。
それでも、シンガポールやマレーシアで製造・調達に関わる日系メーカーの駐在員にとっては知っておきたい会社です。
医療機器や計測器、半導体装置の分野で外部に開発・製造を任せるときの委託先の候補になり、自社工場と比べる相手にもなります。
駐在員の仕事・暮らしとの接点
- 取引先として: 部品や素材、製造装置を納める日系企業にとっては、シンガポール・マレーシアの有力な納入先です。
- 工業団地で: Ang Mo Kio、Jurong、Marsiling、Woodlandsに拠点があり、北部や西部の工業エリアに勤める人には身近な会社です。
- 就職・転職先として: エンジニアリング、品質保証、サプライチェーンなどの職種があります。求人は公式サイトのCareersページに出ています。現地採用の進め方は現地採用ガイドを参考にしてください。
最近の動き
- 2026年は増収増益に回復: 2026年4〜6月期は売上S$726.2M(前年同期比+12.5%)、純利益S$63.0M(同+10.3%)と2桁の伸びでした。
- Illuminaとの協業: 2025年の年次報告書で、ゲノム解析大手Illuminaと中国でのサプライチェーン協業を進めていると紹介しています。
- 環境面: スコープ1・2の温室効果ガス排出量を2022年比で17%減らし、EcoVadisのBronze Medalを得ました。
よくある質問
Ventureという名前のブランド製品はある?
Ventureは、顧客企業の製品を開発・製造する会社です。そのため、店頭でVentureのロゴの製品を見かけることは基本的にありません。
EMS(電子機器製造受託)と同じ?
製造受託という点では近い業態ですが、Ventureは研究開発や製品設計から関わることを強みとしています。
創業者はいまも経営に関わっている?
はい。1989年の創業者Wong Ngit Liong氏が執行会長を務め、グループCEOはWong Chee Kheong氏です。
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数字は各社の公式発表(2025年12月期・2026年6月中間期)に基づきます。この記事は企業情報の紹介を目的としたもので、特定の銘柄の売買をおすすめするものではありません。
最終確認日: 2026-10-02


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