引越しの荷造りを始めると「これは日本から持っていくべき?向こうで買える?」の連続ですよね。
スーツケースと船便の限られたスペースを上手に使えるよう、1本にまとめました。持ち込めない物のルールから、家電・薬・食品の判断のしかたまでを扱います。
この記事はこんな方に
- 💼働く側(駐在員ご本人)にとって会社の引越し荷物に何を入れるか、持ち込めない物を先に確認できる
- 🏡帯同する側(ご家族・パートナー)にとって薬・家電・食品など、家族の荷造りの判断がしやすくなる
ざっくり言うと
- 🚫持ち込めないのはガム・電子たばこ・花火。たばこは1本から課税
- 💊常備薬は3か月分まで。コデイン入りの風邪薬・咳止めは事前承認が必要
- 🔌家電は230V・3ピン(BF)。100V専用の家電は現地で買い直すのが楽
まず確認:持ち込めない物・申告が必要な物

日本の感覚で入れがちな物ほど、シンガポールでは禁止・課税の対象です。荷造りの最初に、この表の物が入っていないかを確認しましょう。
| 品目 | ルール |
|---|---|
| チューイングガム | 持ち込み禁止(HSA〔保健科学庁〕が認めた歯科用・医薬用ガムを除く) |
| 電子たばこ・加熱式の器具 | 持ち込み・所持・使用とも禁止。2026年5月から罰則が強化され、個人の所持・使用は最大S$10,000の罰金。長期パス保持者は3回目の違反でパス取消・国外退去の可能性も |
| 花火・爆竹 | 爆竹は持ち込み禁止。花火も爆発物として規制され、警察の許可なしには持ち込めない。子どもの夏の花火セットは置いていく |
| たばこ | 免税枠なし。1本から申告・納税が必要。未申告は初犯で1箱(20本)あたりS$200の罰金 |
| お酒 | 18歳以上で、48時間以上国外にいた人は免税枠あり(スピリッツ1L+ワイン1Lなど、合計2Lの組み合わせ)。マレーシアからの入国は対象外 |
| 現金 | 家族の合計ではなく1人あたりS$20,000相当(外貨を含む)を超えるなら申告。SG Arrival Card などで到着前に提出できる |
日本から赴任する場合、家族旅行の帰りと同じく「48時間以上の国外滞在」に当たります。そのため、お酒の免税枠は使えます。
枠を超えたお酒は、到着時に申告して税金を払います。
日本で新しく買った物には、48時間以上の国外滞在でS$500までのGST免除があります。ただし、EP(専門職の就労パス)・DP(帯同家族パス)などシンガポール政府発行のパスの保有者は対象外です。
対象外の人や、S$500を超える場合は、申告してGST(消費税にあたる税)を払います。
常備薬:3か月分まで、コデイン入りは要注意

使い慣れた日本の薬は、持っていく価値が一番高いものの一つです。ただし、量と成分にルールがあります。
- 📦 規制成分を含まない薬:本人の3か月分まで承認不要
- ⚠️ 規制成分を含む薬:到着の2週間以上前にHSA(保健科学庁)へ承認申請
- 📄 処方箋か医師の手紙(英文が安心)と一緒に。元の箱のままだと中身が分かりやすい
気をつけたいのが、日本の市販の風邪薬・咳止めによく入っているコデイン・ジヒドロコデインです。HSAの規制成分リストに載っている成分なので、含まれる薬を持っていくなら承認申請の対象になります。
箱の成分表示を見て、これを含まない薬を選ぶのがいちばん手軽です。睡眠薬(ゾルピデムなど)やADHDの薬(メチルフェニデート)も同じく規制成分です。
子ども用の解熱剤・整腸剤・かゆみ止め・絆創膏など、家族がふだん使っている物を中心に選びましょう。現地の薬局で買える薬は薬局・市販薬ガイドにまとめています。
家電:持っていく?買い直す?

シンガポールの電気は230V・50Hz、コンセントは3ピンのBFタイプ(Type G)です。日本の100Vとは電圧が違うので、判断の分かれ目は「100〜240V対応かどうか」です。
そのまま使える(プラグの変換だけ)
スマホ・PC・カメラの充電器、多くのシェーバーやヘアアイロン(海外対応品)。
- ✅ 本体や充電器に「100-240V」の表示があればOK
- 🔌 変換プラグはヒューズ付きのものを。2ピンを3ピンの穴に無理に差し込まない
変換プラグは現地の家電量販店やホームセンターでも買えます。まず数個だけ日本から持っていき、足りない分を現地で足すと無駄がありません。
買い直したほうが楽
炊飯器・電子レンジ・ドライヤー・ホットプレートなど、100V専用の熱を出す家電。
- ⚡ 使うには大きな変圧器が必要で、重く場所も取る
- 🍚 日本メーカーの230V仕様の炊飯器は現地で買える
コンドやサービスアパートは、冷蔵庫・洗濯機・エアコンが備え付けのことが多いです。そのため、大型家電はまず物件を決めてから考えるのが正解です。
現地での家具・家電のそろえ方は家具・家電をそろえるで紹介しています。
食品:日本の味はどこまで持ち込める?

自分たちで食べる分なら、日本の食品はかなり持ち込めます。SFA(シンガポール食品庁)の枠は次のとおりです。
| 種類 | 持ち込める量(1人あたり) |
|---|---|
| 加工食品(調味料・お菓子・乾物・レトルトなど) | 合計5kg(5L)以内、かつ総額S$100以内 |
| 肉(牛・豚・鶏) | 5kg。日本産は対象国に入っている |
| 魚介類 | 5kg(日本産の生・冷凍の牡蠣は対象外) |
| 鶏卵 | 30個 |
| 果物・野菜 | 手で持てる程度の少量 |
持ち込めるのは自分たちで食べる分だけです。とはいえ、味噌・醤油・だし・お米まで日系スーパーやドン・キホーテ(DON DON DONKI)でそろいます。
スーツケースには「子どもが好きなお菓子」「いつものふりかけ」など、現地だと割高・品切れになりやすい物を少し入れる程度で十分です。
どこで何が買えるかは日本食材が買えるスーパー比較へ。
日本から持っていくと助かる物・現地で買える物

迷ったら「日本の規格・サイズ・日本語が必要か」で考えると判断が早くなります。編集部の考え方で、持っていく物と現地で済む物に分けました。
| 分類 | 持っていくと助かる | 現地で買えば十分 |
|---|---|---|
| 子ども | サイズの合った靴・上履き、日本語の絵本・本、学用品(名前シール・日本の規格のノートなど) | 服・水着・おもちゃ |
| からだ | 常備薬(コデインなし)、眼鏡・コンタクトの予備、使い慣れた日焼け止め・化粧品(まず数か月分) | シャンプー・洗剤・生活用品 |
| 暮らし | 薄手の羽織もの(室内の冷房が強い)、変換プラグ数個、印鑑・日本の書類の控え | 寝具・食器・調理器具、230Vの家電 |
| 食 | 好みのお菓子・ふりかけ・だしパックを少し | 米・味噌・醤油などの基本の食材 |
市内には無印良品・ユニクロ・ダイソーなど日本のお店も多く、日本と同じ物が手に入ります。ただ、価格は日本より高めのことが多いです。
そのため、「すぐ使う・かさばらない・割高な物」を日本から、「大きい・重い物」は現地で、が基本です。
船便の引越し荷物は、条件を満たせば非課税
日本で使っていた家財を船便で送る場合、条件を満たせばGSTはかかりません。
- 📦 本人の持ち物で、3か月以上使っていたもの
- 📅 本人の最初の入国から6か月以内にシンガポールへ到着する
- 🚫 到着後3か月は売ったり人に譲ったりしない
- ❗ お酒・たばこ・自動車は対象外
新品の家電や家具をまとめて送ると課税の対象になりやすいので、船便は「日本で使っていた物」を中心にしましょう。手続きは引越し会社が案内してくれることがほとんどです。
赴任前にやることの全体像は赴任準備チェックリスト、到着後の手続きは入国後にやることで確認できます。
最終確認日: 2026-10-02(持ち込みのルールは変わることがあるため、出発前にシンガポール税関・HSA・SFAの公式ページも確認してください)
参考: Singapore Customs(免税枠・GST救済) / Singapore Customs(禁止品) / gov.sg(電子たばこの罰則) / MOH(加熱式たばこ) / ICA(現金の申告) / HSA(個人用の薬) / SP Group(電圧) / CPSO(プラグ) / SFA(食品) / Singapore Customs(引越し荷物)


コメント