チャンギ空港で飛行機に預けた荷物や、機内で出てくる食事。その裏側で働いているのがSATSです。
名前は知らなくても、空港を使うたびにお世話になっている会社かもしれません。じつは日本の機内食大手も傘下に持っています。
この記事はこんな方に
- 💼働く側(駐在員ご本人)にとって航空貨物・物流・食品の取引先として、事業の中身をつかめる
- 🏡帯同する側(ご家族・パートナー)にとって空港で預けた荷物や機内食の裏側にいる会社がわかる
ざっくり言うと
- 📦何の会社?空港の地上業務・航空貨物の取り扱いと、機内食などの食事づくり
- 🇯🇵日本とは?羽田・成田で機内食をつくるSATS TFKが子会社
- 👔駐在員との接点は?チャンギ空港、マリーナベイのクルーズターミナル、物流の取引先
SATSってどんな会社?

航空貨物の取り扱いで世界有数、機内食ではアジア有数の会社です。
1947年にシンガポールのカラン空港で地上業務と機内食の提供を始めたのがルーツです。1972年にシンガポール航空の100%子会社として設立されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | SATS Ltd. |
| SGX(シンガポール取引所)コード | S58 |
| 設立 | 1972年(ルーツは1947年) |
| 本社 | シンガポール |
| 主要株主 | Temasek Holdings(持分約40%、2026年3月末時点) |
| 事業領域 | ゲートウェイ・サービス(航空貨物・地上業務など)、フード・ソリューションズ(機内食など) |
| 決算期 | 3月 |
| 従業員数 | 5万人以上(WFSを含むグループ) |
| 拠点 | 27か国・225超の拠点 |
| 公式サイト | sats.com.sg |
事業の中身
| セグメント | 中身 | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| ゲートウェイ・サービス | 航空貨物の取り扱い、旅客・手荷物の地上業務など。2023年に買収したWorldwide Flight Services(WFS)が加わり、航空貨物ハンドリングで世界有数の規模に | S$49億5,390万(前期比10.8%増) |
| フード・ソリューションズ | 機内食をはじめとする食事の製造・提供 | S$13億9,110万(前期比2.9%増) |
2026年3月期に取り扱った航空貨物は965万トン(前期比7.0%増)、つくった食事は1億1,110万食(同3.3%増)。
地域別の売上では、シンガポールがS$22億4,130万、南北アメリカがS$21億4,200万です。WFSの買収で海外の比重が大きくなっています。
業績の規模感
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | S$63億4,550万 | S$58億2,110万 | +9.0% |
| 営業利益 | S$5億4,330万 | S$4億7,570万 | +14.2% |
| 純利益(親会社株主帰属) | S$2億8,520万 | S$2億4,380万 | +17.0% |
航空貨物の取り扱い量は、IATA(国際航空運送協会)の世界平均を2年半にわたって上回りました。増収をけん引したのはゲートウェイ・サービスです。
日本とのつながり

SATSは、日本の機内食大手SATS TFK(旧TFK)の親会社です。
TFKは1959年に日本初の機内食会社として始まった会社です。2010年に、日本航空(JAL)が持っていた50.7%の株式をSATSが取得しました。
- ✈️ 羽田空港・成田空港で機内食の製造と搭載を担当。国内外の約50航空会社に毎月100万食以上
- 🏨 成田空港近くのホテル「成田エアポートレストハウス」(209室)や都内のレストランも運営
- 🍱 関連会社がスーパーやホテル向けの冷凍・チルド食品もつくっています
2026年3月には、TFKが少数株主から自社株を約22.7億円で買い戻しました。これにより、SATSグループの持ち分は59.4%から89.8%に上がりました。
日本事業への関与はさらに深まっています。
駐在員の仕事・暮らしとの接点
チャンギ空港を使う人なら、ほぼ必ず接点があります。手荷物や貨物の取り扱い、機内食など、空港の裏方の仕事を広く担っているからです。
日本への一時帰国で羽田・成田を使うときも、機内食がSATS TFK製ということがあります。
クルーズ旅行が好きな人には、マリーナベイ・クルーズセンター(Marina Bay Cruise Centre Singapore)も身近です。
運営会社SATS-Creuersは、SATSが60%を持つ合弁会社です。2025年にS$4,000万をかけて改修しました。
早めの手荷物預けや、Marina South Pier駅とのシャトルが用意されました。
仕事では、航空貨物を使う物流・製造業の駐在員にとって取引先になりうる会社です。世界27か国に拠点があり、就職・転職先としても候補になります。
最近の動き
- 航空貨物の拠点拡大:ブリュッセル空港のAviapartner Cargoを買収。EVA Airとの米国拠点での契約更新、スペインのAir Europa Cargoとの契約も。
- 日本事業の持ち分を引き上げ(2026年3月):SATS TFKへの持ち分が89.8%に。
- クルーズターミナルの改修完了(2025年10月):マリーナベイ・クルーズセンターの受け入れ能力を強化。
- 技術・AIへの投資:シンガポールの拠点を、新しい技術を試す場として位置づけています。
よくある質問
SATSとシンガポール航空はどういう関係?
SATSはもともとシンガポール航空の100%子会社でした。2009年にシンガポール航空が保有していた81%の株式を手放し、株主がSATS株を直接持つ形になりました。
いまはそれぞれ独立した上場会社です。
日本のTFKとSATS TFKは同じ会社?
同じ会社です。2010年にSATSがJALから株式を取得して、SATSグループの一員になりました。
羽田・成田で機内食をつくっています。
Temasekとの関係は?
Temasek Holdingsが約40%を持つ大株主です(2026年3月末時点)。
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数字は各社の公式発表(2026年3月期ほか)に基づきます。この記事は企業情報の紹介を目的としたもので、特定の銘柄の売買をおすすめするものではありません。
最終確認日: 2026-10-02 / 最新情報は公式ページよりご確認ください。


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