クラウドやAIのニュースで必ず出てくる「データセンター」。実はシンガポールには、データセンターだけを持つ上場REIT(不動産投資信託)があります。
それがKeppel DC REIT。普段の生活で建物に入ることはありませんが、メールやクラウドサービス、ネット通販の裏側を支える存在です。
2024年からは東京圏への投資も急拡大しています。
この記事はこんな方に
- 💼働く側(駐在員ご本人)にとってクラウド・通信系の取引先として、事業と東京圏への投資をつかめる
- 🏡帯同する側(ご家族・パートナー)にとってメールやネット通販の裏側を支える施設と会社がわかる
ざっくり言うと
- 🖥️何の会社?アジア初のデータセンター専業REIT。スポンサーはKeppel
- 🇯🇵日本とは?東京圏にデータセンターを保有。2026年9月には印西市の2棟の取得も発表
- 👔駐在員との接点は?IT・クラウド・通信系の仕事での取引先、Keppelグループの一員として
Keppel DC REITってどんな会社?

データセンターの「大家さん」。建物と設備を持ち、クラウド事業者などに貸しています。
REIT(不動産投資信託)は、投資家から集めたお金で不動産を持つ仕組みです。テナントからの賃料を、分配金として投資家に配ります。
Keppel DC REITは、その対象をデータセンターに絞ったREITです。2014年12月12日に、アジア初のデータセンター専業REITとしてSGX(シンガポール取引所)に上場しました。
運用会社はKeppel DC REIT Management、スポンサーはシンガポールの大手企業グループKeppelです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Keppel DC REIT |
| SGXコード | AJBU |
| 上場 | 2014年12月12日 |
| 運用会社 | Keppel DC REIT Management Pte. Ltd. |
| スポンサー | Keppel |
| 物件 | データセンター25か所・10か国 |
| 運用資産 | 約S$63億(2025年12月末) |
| 決算期 | 12月 |
| 公式サイト | keppeldcreit.com |
事業の中身
持っている物件はすべてデータセンター。貸し方には、次のものがあります。
- 設備まで整えて複数の顧客に貸す「コロケーション」
- 内装・設備込みで1社に貸す「フルフィット」
- 建物だけを貸す「シェル&コア」
| 地域 | 主な物件 | 規模感 |
|---|---|---|
| シンガポール | Keppel DC Singapore 1〜5・7・8、DC1 | 運用資産の62.4% |
| 日本 | Tokyo Data Centre 1(東京西部)、Tokyo Data Centre 3(東京圏の印西市) | 2024年に日本へ進出 |
| その他のアジア太平洋・欧州 | アジア太平洋と欧州の各国 | アジア太平洋84.5%・欧州15.5%(全体) |
2025年末の稼働率は95.8%、平均残存賃貸期間(WALE)は6.7年。賃料収入の69.3%は、大手クラウド事業者などの「ハイパースケーラー」からです。
業績の規模感
| 項目(2025年12月期) | 金額 | 前期比 |
|---|---|---|
| 総収入(Gross Revenue) | S$4億4,140万 | +42.2% |
| 純不動産収入(NPI) | S$3億8,330万 | +47.2% |
| 分配可能利益 | S$2億6,810万 | +55.2% |
| 1口あたり分配金(DPU) | 10.381セント | +9.8% |
2025年は東京とシンガポールで約S$11億の物件を取得しました。収入・利益ともに大きく伸び、1口あたり分配金も9.8%増えました。
日本とのつながり

日本はここ数年で最も投資が進んでいる市場です。
- 2024年7月: 東京西部の「Tokyo Data Centre 1」を234億円で取得し、日本に初進出。世界的な大手企業(ハイパースケーラー)に一棟貸ししています。
- 2025年9月: 印西市(東京圏)の新築データセンター「Tokyo Data Centre 3」を821億円で取得。世界的なハイパースケーラーと15年の契約が結ばれています。
- 2026年9月: 同じく印西市の「Tokyo Data Centre 4・5」の取得を発表。100%ベースで1,900億円、Keppel DC REITの持分は88.62%で、既存の運営会社が10%を持ち続けます。取得完了は2026年10〜12月期の予定です。
日本の物件は、スポンサーのKeppel(日本法人Keppel Japan KKなど)も少しだけ持分を持つ形で共同保有しています。
駐在員の仕事・暮らしとの接点
- 取引先として: IT・クラウド・通信・金融システムなどの仕事では、データセンターの確保が商談のテーマになることがあります。
- Keppelグループとして: スポンサーのKeppelは、自らを「グローバルな資産運用・事業運営会社」と位置づけるシンガポールの企業です。Keppel関連の取引がある人は名前を覚えておくと便利です。
- 暮らしの裏側で: 建物に入る機会はありませんが、日々使うクラウドやネットサービスを支えるインフラです。
最近の動き
- シンガポール物件の100%化: 2025年9月にKeppel DC Singapore 7・8の残り51%を取得。2025年12月には、Keppel DC Singapore 3(残り10%)と4(残り1%)をS$5,050万でKeppelから取得し、2物件とも100%保有とすることを発表しました。
- 東京圏への大型投資: 2025年のTokyo Data Centre 3に続き、2026年9月にTokyo Data Centre 4・5の取得を発表しました。
よくある質問
Keppel(ケッペル)との関係は?
KeppelはKeppel DC REITのスポンサーです。日本の物件などでは、Keppelも小さな持分を持って共同保有しています。
データセンターREITは何で稼いでいるの?
データセンターの建物・設備をクラウド事業者や企業に貸して得る賃料です。長期契約が多く、2025年末のWALEは6.7年です。
日本のデータセンターはどこにありますか?
東京西部のTokyo Data Centre 1と、印西市(東京圏)のTokyo Data Centre 3です。印西市ではさらに2棟の取得を発表しています。
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数字は各社の公式発表(2025年12月期)に基づきます。この記事は企業情報の紹介を目的としたもので、特定の銘柄の売買をおすすめするものではありません。
最終確認日: 2026-10-02 / 最新情報は公式ページよりご確認ください。


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