Tampines 1、Causeway Point、Northpoint City……。週末の買い物や子どもの習い事で、郊外のモールに行く駐在家族は多いはず。
実はこうしたモールの多くを持っているのが、SGX(シンガポール取引所)上場のREIT(不動産投資信託)「Frasers Centrepoint Trust(FCT)」です。
どんな会社なのか、暮らしとの接点を中心に紹介します。
この記事はこんな方に
- 💼働く側(駐在員ご本人)にとって小売・商業施設の取引先として、物件と業績をつかめる
- 🏡帯同する側(ご家族・パートナー)にとって週末の買い物や習い事で行く郊外モールの持ち主がわかる
ざっくり言うと
- 🛍️何の会社?郊外の駅近モール8つを持つ、シンガポールの商業施設REIT
- 🇯🇵日本とは?REIT自体の日本物件はなし。Bayshoreの新モール計画では積水ハウスと共同事業
- 👪駐在員との接点は?Tampines 1やNorthpoint CityのDON DON DONKIなど、週末の買い物先そのもの
Frasers Centrepoint Trustってどんな会社?

住宅街や駅のそばにある「郊外モール」に特化した、シンガポールの商業施設REITです。
REIT(不動産投資信託)は、投資家から集めたお金で不動産を持つしくみです。テナントから受け取る賃料の大部分を、投資家に分配します。
FCT自身は社員を抱えていません。スポンサー(親会社)であるFrasers Property Limitedの100%子会社が、運用会社として物件の運営・取得を担っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Frasers Centrepoint Trust |
| SGXコード | J69U |
| 上場 | 2006年7月5日(SGXメインボード) |
| 運用会社 | Frasers Centrepoint Asset Management Ltd.(Frasers Propertyの100%子会社) |
| スポンサー | Frasers Property Limited |
| 事業領域 | シンガポールの郊外型ショッピングモール(ほかにオフィス1棟) |
| 資産規模 | 約S$84億(運用資産、2026年6月末。White Sands売却前) |
| 決算期 | 9月 |
| 公式サイト | fct.frasersproperty.com |
事業の中身
FCTの物件は、シンガポールの住宅地にあるモール8つと、Tiong Bahru Plazaに隣接するオフィスビルCentral Plazaです。
White Sandsを含む2026年6月末時点では、モールの賃貸面積は合計約300万平方フィートでした。テナント契約は1,900件以上でした。
| 物件 | エリア | ひとこと |
|---|---|---|
| Causeway Point | Woodlands | 北部の住宅地 |
| Century Square | Tampines | Tampines中心部 |
| Hougang Mall | Hougang | 改装工事が進行中 |
| NEX | Serangoon | 持分50% |
| Northpoint City | Yishun | 2025年に南棟を取得し全体を保有 |
| Tampines 1 | Tampines | 2024年に改装完了 |
| Tiong Bahru Plaza | Tiong Bahru | オフィスCentral Plazaと接続 |
| Waterway Point | Punggol | 持分50% |
| White Sands | Pasir Ris | 2026年9月30日に売却完了(現在は保有せず) |
都心の観光型モールと違い、周辺住民が日常的に使うのが特徴です。
なお、White Sandsは2026年6月にS$4億6,700万での売却を発表しました。売却は2026年9月30日に完了しました。
業績の規模感
| 項目(2025年9月期) | 金額 | 前期比 |
|---|---|---|
| 総収入(Gross revenue) | S$3億8,960万 | +10.8% |
| 純不動産収入(NPI) | S$2億7,800万 | +9.7% |
| 分配可能利益 | S$2億3,320万 | +8.8% |
| 1口あたり分配金(DPU) | 12.113セント | +0.6% |
2025年9月期は、収入が約1割増えました。Northpoint Cityの南棟(South Wing)を2025年5月に取得した効果です。
ポートフォリオの評価額はS$82億です。
現場の数字も堅調で、来館者数は前期比+1.6%、テナント売上は+3.7%、契約ベースの稼働率は98.1%でした。2026年6月末も99.6%と、ほぼ満室が続いています。
日本とのつながり

FCTの物件はすべてシンガポール国内で、日本の不動産は持っていません。ただ、日本人に身近なテナントは入っています。
たとえば日本発のディスカウントストア「DON DON DONKI」です。Northpoint CityとTampines 1のモール公式サイトに店舗が掲載されています。
日本企業との直接の接点もあります。
2026年7月、FCTは東部Bedok南東のBayshore Driveの政府売却用地(GLS)を約S$21億で落札しました。スポンサーのFrasers Property、Sunway MCL、日本の積水ハウスなどとの共同入札です。
住宅部分は分譲用に、商業部分(モール)は次の割合の共同事業として開発・保有する計画です。
- FCT 50%
- Sunway MCL 30%
- 積水ハウス 20%
完成は2030年末ごろの見込みです。
また、スポンサーのFrasers Propertyグループは、サービスアパートメント「Fraser Residence Nankai, Osaka」をFrasers Hospitalityとして運営しています。場所は大阪・なんば駅から徒歩3分です。
駐在員の仕事・暮らしとの接点
- 買い物・食事の場として: Tampines、Punggol、Serangoon、Woodlandsなど郊外に住む家族には、最寄りモールがFCT物件ということも。住むエリア選びでは、近くにどのモールがあるかも参考になります
- 出店・取引先として: 飲食・小売・サービス業で郊外モールへの出店を考えるなら、交渉相手は運用会社のFrasers Centrepoint Asset Managementです
- スポンサーのつながり: Frasers Propertyの大株主はTCC Assetsで、ThaiBevの支配株主でもあるSirivadhanabhakdi家が持つ会社です。ThaiBevやF&Nと取引のある人には、同じグループの一員として覚えておくと便利です
Frasers Propertyは、次の5分野でアジア太平洋と欧州に展開する不動産会社です。
- 住宅
- 商業施設
- オフィス・ビジネスパーク
- 物流・産業施設
- ホテル・サービスアパート
最近の動き
- Northpoint City南棟を取得(2025年5月): S$11.7億で取得し、Northpoint City全体を保有する形に
- Yishun 10 Retail Podiumを売却: S$3,450万で売却し、同じYishunのNorthpoint Cityに集中
- Hougang Mallの改装: 第1期が2025年11月に完了。2026年9月の完了を目指し、改装区画の98%超が契約済み(2026年6月末時点)
- NEXの改装: 2026年5月に第1期の改装工事(AEI)を開始。第1期は2026年末、全体は2028年10〜12月の完了予定
- White Sandsを売却(2026年6月発表、9月30日完了): 発表時の売却額はS$4億6,700万
- Bayshore Driveの用地を共同落札(2026年7月): 積水ハウスなどと組み、新しいモールを開発する計画
よくある質問
FCTのモールで日本の店はありますか?
日本発のDON DON DONKIが、Northpoint CityとTampines 1に入っています(各モール公式サイト掲載)。
Frasers PropertyとThaiBevはどういう関係?
Frasers Propertyの過半数を持つTCC Assetsは、ThaiBevの支配株主であるSirivadhanabhakdi家の会社です。
2024年9月には株式交換が完了しました。ThaiBevの子会社が持っていたFrasers Property株(約28.78%)をTCC Assetsに移し、代わりにF&N株を受け取るものです。
これにより、ThaiBevグループはFrasers Property株を持たなくなっています。
FLCTとは何が違うの?
同じFrasers Propertyがスポンサーですが、FCTはシンガポールの郊外モールが中心です。FLCTはオーストラリア・欧州などの物流施設とオフィス・ビジネスパークが中心です。
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数字は各社の公式発表(2025年9月期、および2026年6月末までの四半期アップデートなど)に基づきます。この記事は企業情報の紹介を目的としたもので、特定の銘柄の売買をおすすめするものではありません。
最終確認日: 2026-10-02 / 最新情報は公式ページよりご確認ください。


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