「ローカル校に入れたいけれど、外国人でも入れるの?」「AEIS(外国人向けの編入試験)って何?」という相談は、シンガポール在住の日本人家庭でよく話題になります。
この記事では、シンガポール教育省(MOE)の公式サイトで確認できた入学ルート・日程・学費・パスの扱いを整理しました。実際に子どもがローカル校に入った編集部メンバーの家庭の体験も紹介します。
この記事はこんな方に
- 💼働く側(駐在員ご本人)にとって学費と入学の条件を知り、教育方針を夫婦で話し合う材料になる
- 🏡帯同する側(ご家族・パートナー)にとって入学ルート・試験・日々の学校生活を、体験談と合わせてイメージできる
ざっくり言うと
- 🏫日本人の子どももローカル校に入れる制度がある
- 1️⃣小学1年生なら外国人向けのP1登録へ
- 📝途中の学年からは選考試験(AEIS)を受ける
そもそもローカル校とは?日本人が入れるのか

ここでいう「ローカル校」は、MOEが運営・監督する公立の小学校・中学校(政府立・政府補助校。MOEは「mainstream schools」と呼びます)のことです。
基本的にはシンガポール国民とPR(永住者)の子どものための学校です。ただしMOEは、国際学生(International Students)にも入学の道を開いています。
外国人の入学ルートは、年齢によって次の2つに分かれます(MOE公式)。
- 入学する年の1月1日時点で6歳:外国人向けのP1(小学1年生)登録
- 7歳以上:選考試験のAEIS/S-AEISを受けて、年齢に合った学年へ編入
どちらも国民・PRの子どもが優先で、外国人は空きがある範囲での受け入れです。日本の公立小学校のように「住所があれば入れる」仕組みではない点を、最初に押さえておきましょう。
ローカル校を検討するときの判断基準
1. 入れない場合の「つなぎ」を用意できるか
選考制なので、不合格や入学待ちの期間がありえます。
日本人学校やインター校に通いながら受験する、入学が決まるまで別の学校に通う、など結果が出るまでの通学先を決めておくと慌てずにすみます。
2. 学校を選べないことを受け入れられるか
MOEは、配置は「空き状況と申告した居住エリアに基づき、可能な範囲で」決めるとしています。家庭が希望校を指定する仕組みについての説明はありません。
自宅から遠い学校に決まることもある前提で、通学手段(スクールバス、MRT〔都市鉄道〕・バス)を考えておく必要があります。
子連れの移動手段はMRT・バス・タクシー子連れガイドも参考にしてください。
3. 英語で全教科を学べるか
授業は英語で行われます。日本語のサポートはないものと考えてください。
小学校のAEIS/S-AEISでは、申込前にケンブリッジ英語検定(Cambridge English Qualifications)で所定のスコアを取ることが求められます。
4. 帰国後の進路とのバランス
ローカル校はシンガポールのカリキュラムで学び、小学校の最後に全国試験(PSLE)があります。数年で日本に戻る予定なら、日本の学習をどう補うかも考えておきましょう。
日本人学校・インター校との比較は日本人学校とインター校の選び方・費用比較にまとめています。
比較表:外国人がローカル校に入る3つのルート
| ルート | 対象 | 申込時期 | 選考 | 結果・入学 |
|---|---|---|---|---|
| P1登録(外国人向け) | 入学年の1月1日時点で6歳(2027年入学は2020年1月2日〜2021年1月1日生まれ) | 入学前年の5月中旬〜6月上旬ごろ(2026年は5月19〜25日) | 試験なし。国民・PRを優先し、空きがあれば配置 | 10月末までにメールで通知/翌年1月入学 |
| AEIS | P2〜P5、S1〜S3に入りたい7歳以上 | 7月ごろ(オンライン) | 9〜10月ごろにシンガポール国内で試験。小学校は数学(英語は事前にケンブリッジ英検で確認)、中学校は英語・数学 | 12月に結果/翌年1月から通学 |
| S-AEIS | P2〜P4、S1〜S2(同じ年度内に入りたい場合) | 1月ごろ(2027年分は2027年1月開始) | 2〜3月ごろに試験(科目はAEISと同様) | 同じ年の4月または5月から通学 |
ルート1:外国人向けP1登録(小学1年生から入る)
小学1年生からローカル校に入りたい場合は、MOEの外国人向けP1登録に申し込みます。この登録は、国民・PR向けのP1登録とは別の日程で行われます。
2026年の登録(2027年1月入学、2020年1月2日〜2021年1月1日生まれが対象)は、2026年5月19日(火)9時〜5月25日(月)16時30分にオンラインで受け付けました。
締切を過ぎた申込は、事情があっても受け付けられません。
申込はオンラインフォームに入力し、書類をアップロードする方式です。これまでの案内では、次のものなどを求めています。
- 子どもの出生証明書(英語以外は英訳)
- パスポート
- 在留パス(Dependant’s Passなど)の情報
結果は10月末までにメールで届きます。合格した場合は、指定された学校に書類を提出して登録します。
国民・PRが優先のため、空きが少なければ入れないこともあります。これまでの案内では、配置結果に対する不服申し立て(appeal)は受け付けないとされています。
次回(2028年入学分)の申込は2027年の登録になります。
近年は5月中旬〜6月上旬の1週間程度が受付期間です(2024年は5月28日〜6月3日、2026年は5月19〜25日)。年長(K2)にあたる年の春には、MOEの外国人向けP1ページをこまめに確認しておきましょう。
幼稚園選びは幼稚園・プリスクールの選び方で詳しく紹介しています。
ルート2:AEIS(途中学年から入る・メインの編入試験)
AEIS(Admissions Exercise for International Students)は、国際学生のための選考試験です。小学2〜5年生(P2〜P5)と中学1〜3年生(S1〜S3)への入学を希望する場合に受けます。
年齢に合った学年の試験を受けます。
年間スケジュールの目安
- 7月:オンラインで申込(受験料の支払いもオンライン)
- 8月:受験票の受け取り
- 9〜10月:試験(シンガポール国内で実施。2025年は9月2〜4日)
- 12月:結果発表
- 12月〜翌1月:配置された学校で手続き、1月の新学期から通学
2026年実施分(2027年1月入学)は、MOEの国際学生向けページで「2026年7月申込、9月または10月に試験(暫定)」と案内されていました。そのため、通常であれば申込期間は過ぎています。
最新状況はMOEのAEISページで確認してください。その次に受けられるのは、下で紹介する2027年のS-AEISです。
試験科目と英語の要件
中学校の試験は英語と数学、小学校の試験は数学のみで、いずれも志望する学年の1つ前の学年でローカル校が扱う内容が範囲です。
小学校は英語の試験がない代わりに、申込前にケンブリッジ英語検定(CEQ)で所定のスコアを取っておく必要があります。
必要なスコアや受験料はMOEの公式ページで確認できるので、早めに確認し、英検の受験日程から逆算して準備しましょう。
合格しても学校は選べない
AEISの合格は試験の出来によって決まり、入学が保証されるものではありません。合格後の配置は「空き状況と申告した居住エリアに基づき、可能な範囲で」決まり、希望校を指定する仕組みは案内されていません。
きょうだいで受験した場合も、同じ学校に配置されるとは限らない点に注意してください。
ルート3:S-AEIS(年度途中の入学を目指す補欠的な試験)

S-AEIS(Supplementary AEIS)は、同じ年度のうちに入学したい国際学生向けの試験です。対象はP2〜P4とS1〜S2と、AEISより狭くなります。
2026年の試験は3月2〜6日に行われました。
2027年のS-AEISは2027年1月に申込開始、試験は2月または3月(暫定)です。合格すると4月または5月から通学します。
MOEは例として、次のケースを示しています。2025年のAEISでP5に不合格だった子どもが、年齢の条件を満たせば2026年のS-AEISでP4に申し込める、というケースです。
9〜10月のAEISを逃した場合や、赴任時期が秋以降になった場合の選択肢になります。
学費:外国人(日本はASEAN以外)の月額と年額の目安
ローカル校の学費は国籍区分で異なります。MOEが2023年10月に発表した国民以外の学費(月額、school fees)は次のとおりです。
これに加えて、全国籍共通の雑費(小学校月S$13、中学校月S$20)がかかります。
| 区分(月額) | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|---|
| 小学校:国際学生(ASEAN以外)※日本 | S$935 | S$985 | S$1,035 |
| 中学校:国際学生(ASEAN以外)※日本 | S$1,910 | S$2,050 | S$2,190 |
| 小学校:国際学生(ASEAN) | S$545 | S$570 | S$595 |
| 中学校:国際学生(ASEAN) | S$970 | S$1,030 | S$1,090 |
| 小学校:PR | S$280 | S$305 | S$330 |
| 中学校:PR | S$560 | S$620 | S$680 |
インター校・日本人学校と比べると?(編集部試算)
2026年の額で年額を試算すると、小学校は(S$1,035+雑費S$13)×12ヶ月=約S$12,600です。中学校は(S$2,190+S$20)×12ヶ月=約S$26,500です。
国際学生の学費はGST込みで案内されているため、ここにGSTを上乗せする必要はありません(いずれも編集部の単純計算)。
- 小学校:インター校の年間授業料は、比較記事で取り上げた学校で最も安い区分でもS$36,300(Tanglin Trust SchoolのNursery、2026-27年度)なので、ローカル校はその約3分の1です。
- 中学校:例えばDulwich College (Singapore)のYears 7-9はS$53,850(2026-27年度)で、ローカル校は約半分。Singapore American School(SAS)のGrade 6-8(授業料S$41,560、2026-27年度。別途施設費あり)と比べると6〜7割程度です。
- 日本人学校との比較:日本人学校小学部の授業料・施設費は12ヶ月換算で約S$9,810(2026年度、GST込)なので、学費だけならローカル校の方が高くなります。
インター校は入学金などの一時金も別にかかります。各校の学費はインター校学費比較2026-27(11校)で詳しく比較しています。
Student’s Pass(学生パス)は必要?
外国籍の子どもがローカル校に通うには、原則としてICA(移民局)が発行するStudent’s Passが必要です。
ただし、有効なDependant’s Pass(DP、帯同家族パス)、Long-Term Visit Pass(LTVP、長期滞在パス)、Immigration Exemption Orderを持っている場合は申請不要です。
子どもが有効なDPを持っていれば、Student’s Passを別に取る必要はありません。
Student’s Passが必要な場合は、ICAのオンラインサービス(SOLAR+)から申請します。申請には、入学先の学校が発行する書類(Registration Acknowledgement Letter)を使います。
ICAは通学開始の2〜3ヶ月前の申請を求めています。申請手数料はS$45(返金なし)です。
個別のビザ・パスの判断は、勤務先の人事やICAに確認してください。
入学後の学校生活:英語・母語・学年暦
授業は英語、母語(Mother Tongue)は必修
ローカル校の授業は英語で行われます。あわせて、すべての生徒が母語(Mother Tongue Language:中国語・マレー語・タミル語)を必修で学びます。
国際学生の家庭は、入学後に校長を通じて免除を申請でき、個別に判断されます。
また、長く海外で暮らしていたなどの条件を満たす場合、MOEが承認した外国語(フランス語・ドイツ語・日本語)などで代替できる制度もあります。
どの扱いになるかは学校と相談して決まるので、入学手続きの際に確認しましょう。
学年暦は1月始まりの4学期制
MOEの学校は1月に新年度が始まり、4学期制です。2027年の学期は次のとおりです。
- 1学期:1月4日〜3月12日
- 2学期:3月22日〜5月28日
- 3学期:6月28日〜9月3日
- 4学期:9月13日〜11月19日
休暇は次のとおりです。
- 3月中旬に約1週間
- 5月末〜6月に約4週間
- 9月上旬に約1週間
- 11月下旬〜12月末の年末休暇
祝日と合わせた一覧は2027年 シンガポールの祝日・学校休暇カレンダーで確認できます。
在住家庭の声:編集部メンバーの家庭の体験
編集部メンバーの家庭には、子どもがローカル校に入学した経験があります。以下はその家庭の保護者の体験に基づく感想で、制度の説明ではありません。
P1登録は「賭け」の面がある
「年長(K2)の時期にシンガポールにいれば、外国人向けのP1登録に申し込むだけで入れることもあります。
ただ、学校は選べないので、近くの学校に入れればいいけれど、かなり遠い学校に配置されることもある。ある意味、賭けだと感じました」
途中学年からのAEISは狭き門だった
「途中の学年からはAEISを受けて編入しました。体感として倍率はかなり高かったです。合格しても学校は選べませんでした」
入学までは低価格帯のインター校でつないだ
「試験の結果や入学を待つ間は、学費を抑えめのインター校に通わせてつなぎました」。入学時期が読めないルートなので、待機期間の通学先を早めに決めておくと安心です。
ローカル校の良さと、家族の悩み
「英語で授業を受けられて教育水準も高く、学費もインター校より大幅に抑えられる。そのぶん入るのが難しいのが最大の壁です」。
一方で、「きょうだいが別々の学校に通うと、学校ごとに長期休みも中間休みも時期が違うので、家族そろっての一時帰国や旅行の日程が合わせづらい」という声もあります。
ローカル校を検討する際は、きょうだいの学校の休暇がずれる可能性も考えておくとよいでしょう。
よくある質問
Q1. 日本人の子どもでもローカル校に入れますか?
入れる制度はあります。6歳で入学する場合は外国人向けP1登録、7歳以上はAEISまたはS-AEISの試験を受けます。
ただし国民・PRが優先で、外国人は空き状況による選考制のため、入学は保証されません。
Q2. 通う学校を選べますか?
MOEは、AEIS/S-AEIS合格後の配置を「空き状況と申告した居住エリアに基づき、可能な範囲で」決めるとしています。家庭が学校を指定する仕組みの説明はありません。
P1登録も、これまでの案内では結果に対する不服申し立ては受け付けないとされています。自宅から離れた学校になることもある前提で検討してください。
Q3. 今(秋)から入りたい場合、いつ入学できますか?
2026年のAEIS(2027年1月入学)は7月申込と案内されていたため、通常であれば申込期間は過ぎています(最新状況はMOEで確認してください)。
7歳以上なら、2027年1月に申込が始まるS-AEIS(試験は2〜3月ごろ、4〜5月に入学)が次の機会です。
S-AEISの対象はP2〜P4とS1〜S2に限られます。該当しない学年の場合は、2027年7月ごろのAEISを目指すことになります。
Q4. Dependant’s Passで滞在していますが、Student’s Passは必要ですか?
MOEとICAの案内では、有効な次のものを持っていればStudent’s Passは不要です。
- Dependant’s Pass
- Long-Term Visit Pass
- Immigration Exemption Order
パスの種類が変わる場合などは、勤務先の人事やICAに確認してください。
Q5. 学費はインター校と比べてどのくらい安いですか?
2026年の外国人(ASEAN以外)の学費で編集部が試算すると、小学校は年約S$1.26万、中学校は年約S$2.65万です(国際学生の学費はGST込み)。
インター校の年間授業料(S$3万台後半〜5万台が中心)と比べて、小学校で約3分の1、中学校で約半分〜7割です。ただし日本人学校よりは高くなります。
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公式サイト一覧

- MOE:Admission for international students
- MOE:P1 registration for international students
- MOE:AEIS
- MOE:S-AEIS
- MOE:School fees(Fees checker)
- MOE:Revised School Fees for Non-Citizens 2024 to 2026
- MOE:Studying in Singapore
- MOE:School Terms and Holidays for 2027
- ICA:Student’s Pass(Government/Government-Aided Schools)
最終確認日: 2026-10-02 / 最新情報は公式ページよりご確認ください。


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