ローカル校に通う友だちから「DSAで中学が決まった」と聞いて、「DSAって何?」と思ったことはありませんか。
DSA(Direct School Admission)は、スポーツや音楽、理数などの「得意」で、PSLE(小学校卒業試験)の前に中学の内定をもらえる制度です。
この記事では、MOE(教育省)と各校の英語の公式情報をもとに、しくみ・日程・外国人の応募条件を日本人家庭の目線で整理しました。
この記事はこんな方に
- 💼働く側(駐在員ご本人)にとって同僚の子どもの進学の話題がわかり、わが子の選択肢も検討できる
- 🏡帯同する側(ご家族・パートナー)にとって得意分野で中学に入る制度の条件と、出願の日程がわかる
ざっくり言うと
- ⚽DSAはスポーツ・芸術・理数などの力で、PSLE前に中学の内定がもらえる制度
- 📅日程は小6の5〜6月に出願(3校まで・無料)、8月末までに結果
- 🇯🇵日本人学校・インター校からも応募できる。ただし外国人は原則AEIS(外国人向けの編入試験)の要件を満たすことが条件
DSAとは:成績だけでは見えない「得意」で選ぶ入試

DSA-Sec(中学のDSA)は、小6の子が、学業成績以外も含めた才能で中学に直接出願できる制度です。通常はPSLEの点数だけで中学が決まりますが、DSAで内定をもらえば、点数の条件を満たすかぎりその学校に進めます。
- 🎯 枠:各校はIP(中高一貫のプログラム)以外の中1定員の最大20%をDSAで採れる。IP校はIP定員の約30〜35%、NUS High・SOTA(芸術専門の学校)・SST(科学技術の専門中学)は100%まで
- 👥 人数:2023年は約4,400人(学年の約11%)がDSAで入学。2019年は約3,500人(約9%)
- 🏅 分野:出願の約3分の1がスポーツ、約4分の1がSTEM(理数・工学)。ほかに芸術、リーダーシップ・制服団体、言語・人文、起業など
分野は学校ごとにとても細かく、次のようなものがあります。
- サッカー・バドミントン・水泳といったスポーツ
- 合唱・吹奏楽・中国舞踊
- ディベート
- ロボティクス
- 数学
- バイリンガリズム
MOEのサイトで分野と学校を検索できます。
誰が応募できる?日本人の子どもの場合
ローカルの小学校に通うP6の子に加えて、インター校・私立校・ホームスクールなどの「非主流校(non-mainstream school)」の子も応募できます。
日本人学校に通う子も、こちらの手続きになると考えられます(応募前にMOEへ確認しておくと安心です)。
| 今の学校 | 応募のしかた | 主な条件(2026年) |
|---|---|---|
| ローカルの小学校 | 保護者のSingpassでDSA-Secポータルから出願(持っていなければ学校に相談) | P6であること |
| インター校・日本人学校など | 先にMOEから登録番号(RG番号、発行に5営業日)をもらい、ポータルから出願 | 外国人は2012年1月2日〜2015年1月1日生まれ。AEISに参加し要件を満たすこと。選考に本人が出席できること |
外国人の子にとって大きいのが「AEISへの参加」という条件です。AEISは外国人がローカル校に入るための選考試験で、中学の試験は英語と算数です。
DSAで評価されても、AEISの要件を満たさなければ入学できません(SOTAやSSTなど、AEISを求めない専門校もあります)。
RGS(Raffles Girls’ School)は外国人の応募者全員にAEISへの参加を求めています。ACS(Independent)も、DSAで合格した外国人の応募者にAEISの受験を求めています。
同校は、AEISの要件を満たすまでは条件付きの内定としています。
AEISの日程と内容はローカル校に日本人は入れる?で解説しています。
2026年のスケジュール

出願は小6の5〜6月、結果は8月末、志望の提出は10月、最終的な行き先はPSLEの結果と一緒に11月下旬にわかります。
| 時期(2026年) | やること |
|---|---|
| 5月6日11時〜6月2日16時30分 | 出願(最大3つ。同じ学校には2分野まで。無料) |
| 6〜8月ごろ | 書類選考を通った子が、各校のトライアル・面接・オーディションなどに参加 |
| 8月28日まで | 結果の通知(内定・補欠・不合格) |
| 10月19日9時〜23日16時30分 | 内定・補欠の学校から志望を最大3校提出 |
| 11月24日〜25日ごろ(暫定) | PSLEの結果と一緒に、DSAでの振り分け結果を受け取る |
出願では、志望校と分野、連絡先を入力し、学校外での活動・実績を最大10件まで書き込めます(任意)。
ローカル校の子の成績や校内の活動記録は、学校から自動的に共有されます。経験がなくても応募はでき、学校は伸びしろも含めて判断します。
2027年の日程はまだ発表されていません。ただ、例年5月上旬に始まるので、小5の終わりには準備を始めておくと慌てずにすみます。
結果は3種類:内定・補欠・不合格
- ✅ 内定(Confirmed Offer):席が確保される。10月にその学校を志望に入れる
- ⏳ 補欠(Wait List):内定者が辞退すれば席がもらえる。例年、補欠の約半数が最終的に入学
- ❌ 不合格(Unsuccessful):通常どおりS1 Posting(PSLEの点数での振り分け)に参加
内定でもPSLEの点数は必要です。その学校が受け入れるPosting Groupの点数を取らなければなりません。
例えばPosting Group 3だけの学校なら4〜22点が必要です。IPに入るにもPosting Group 3の最低条件を満たす必要があります。
点数のしくみはローカル校のしくみ徹底解説で紹介しています。
いちばん大事なのは「最後まで通う約束」

DSAで入学が決まると、S1 Postingで志望校を選べなくなります。PSLEの結果が出たあとに他の学校へ移ることもできません。
その学校と分野に、在学中ずっと取り組むことが前提です。
PSLEで思ったより良い点が取れても、DSAで決まった学校に進むことになります。駐在家庭の場合は、帰任の時期とのバランスもよく考えましょう。
IPは6年一貫で、途中で他のIP校に移ることは原則できません。
学校独自の選考がある学校
- 🎨 SOTA(芸術)とSingapore Sports School:DSAポータルではなく、学校に直接出願
- 🔬 NUS High・School of Science and Technology:入学基準は各校のサイトで確認
例えばSOTAは、インター校に通う子向けの出願ルート(DSA-Secondary non-MOE)を設けています。2026年はシンガポールのインター校でGrade 6を修了予定の子などが対象です。
出願は3月30日〜5月8日で、書類選考を通ると英語と算数の試験(S$30)があります。外国人でもAEISは不要と案内されています。
学校ごとに条件がかなり違うので、志望校の公式ページを早めに確認しましょう。
JCにもDSAがある(DSA-JC)
中4(O-レベル受験前)の生徒が、JC(ジュニアカレッジ)に得意分野で出願できるのがDSA-JCです。出願は各JCに直接行い、2026年は5月上旬に始まり、選考は2段階(8月11日・9月7日までに内定)でした。
内定しても、O-レベルの結果でJCの入学基準を満たす必要があり、受け入れると一括出願(JAE)には参加できません。
制度の見直しが進行中
MOEは2024年10月、DSAを次の3つの面から見直すと国会で答弁しました。
- 「学校が才能を伸ばす力」
- 「選考」
- 「応募のしやすさ」
過去5年にDSAで入学した国民についての数字も示されています。MOEの学費補助(FAS)や独立校の全額奨学金を受ける家庭の子は、約6%にとどまっていました。
2025年11月の時点でも見直しは続いており、詳細は「準備ができ次第示す」とされています。2027年以降の変更に注意しておきましょう。
中学のしくみ全体はローカル校のしくみ徹底解説、ローカル校への入り方はローカル校に日本人は入れる?、スポーツで挑戦するなら子どものサッカークラブの選び方も参考にしてください。
最終確認日: 2026-10-02(日程・条件は毎年見直されます。出願前にMOEと志望校の公式ページを確認してください)
参考: MOE(DSA-Sec) / MOE(応募資格・分野) / MOE(学校の選び方) / MOE(非主流校からの出願) / MOE(結果) / MOE(志望の提出) / MOE(2026年DSA開始の発表) / MOE(DSAの人数) / MOE(2024年の国会答弁) / MOE(2025年の国会答弁) / MOE(PSLEの結果発表) / MOE(DSA-JC) / RGS(外国人の入学) / ACS(Independent)(DSAのFAQ) / SOTA(非MOE校からの出願)


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