Raffles City、Plaza Singapura、Capital Tower。駐在生活で必ず一度は行く場所の多くに「CapitaLand」の名前があります。
その中心にいるのが、上場会社のキャピタランド・インベストメント(CLI)。実は「ビルを持つ会社」というより「不動産ファンドを運用する会社」です。
仕組みと日本との関係を整理しました。
この記事はこんな方に
- 💼働く側(駐在員ご本人)にとって不動産の運用や投資の話題で、会社の仕組みと日本での動きをつかめる
- 🏡帯同する側(ご家族・パートナー)にとっていつものモールや赴任直後の住まいの運営元がわかる
ざっくり言うと
- 🏦何の会社?REIT(不動産投資信託)や私募ファンドで不動産を運用する、アジア系の不動産運用会社
- 🇯🇵日本とは?大阪のデータセンター開発、Japan Hotel REITの運用会社への出資など
- 👔駐在員との接点は?傘下REITのモール・オフィス、赴任直後のサービスアパート(Ascott)
キャピタランド・インベストメントってどんな会社?

自分で物件を持つより、投資家のお金を集めて不動産を運用し、手数料を稼ぐ会社です。
2021年にシンガポールで上場した、CapitaLandグループの不動産運用会社です。運用資産(FUM)はS$1,250億。
CICT(商業施設・オフィス)やCapitaLand Ascendas REIT(ビジネスパーク・物流)などの上場REITに加え、サービスアパートのAscottも傘下に持っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | CapitaLand Investment Limited |
| SGX(シンガポール取引所)コード | 9CI |
| 上場 | 2021年(シンガポール) |
| 本社 | シンガポール |
| 主要株主 | Temasek(投資家別の保有比率54.0%、2025年12月時点) |
| 事業領域 | 上場ファンド・私募ファンドの運用、ホテル・サービスアパート運営(Ascott)、商業施設の管理、不動産投資 |
| 運用資産(FUM) | S$1,250億(2025年末) |
| 決算期 | 12月 |
| 公式サイト | capitalandinvest.com |
事業の中身
| 事業 | 中身 | 例 |
|---|---|---|
| 上場ファンド運用 | シンガポールなどに上場するREIT・ビジネストラストの運用 | CICT、CapitaLand Ascendas REIT、CapitaLand Ascott Trust、Japan Hotel REITなど8本 |
| 私募ファンド運用 | 機関投資家向けの非上場ファンド | データセンター、物流、不動産プライベートクレジットなど |
| 宿泊運営 | The Ascottによるホテル・サービスアパート運営 | Ascott、Citadines、lyf、Oakwoodなど。運営中は約17.6万室 |
| 商業施設の管理 | モールやオフィスの運営管理 | 傘下REITの物件など |
| 不動産投資 | 自社で保有する不動産 | 売却して運用事業へ資金を回す方針 |
会社の方針は「手数料で稼ぐ、身軽な(アセットライト)運用会社」。物件を売ってREITやファンドに移し、自社は運用・管理の手数料を受け取る形へ切り替えを進めています。
業績の規模感
| 項目(2025年12月期) | 金額 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | S$21億3,300万 | 減少(前期S$28億1,500万) |
| 手数料関連収入 | S$12.3億 | +6% |
| 営業ベースの純利益(Operating PATMI) | S$5億3,900万 | +6% |
| 純利益(PATMI) | S$1億4,500万 | -70% |
売上の減少は、2024年12月にCapitaLand Ascott Trustを連結から外したことや物件売却の影響によるものです。手数料関連の収入は伸びています。
本業の稼ぎを示すOperating PATMIは増益。一方、全体の純利益は、物件売却益の減少や中国の物件の評価損で大きく減りました。
日本とのつながり

CLIにとって日本は重要な市場のひとつです。
- SC Capital Partnersへの出資: 日本に強い不動産運用会社SC Capital Partnersの40%を取得(2025年3月)し、2030年までに完全子会社化する計画です。同社の運用資産S$110億の76%が日本で、東証上場のJapan Hotel REITの運用も手がけています。
- 大阪のデータセンター: 2025年2月、大阪のフリーホールド(所有権)用地で、CLIとして日本初となるデータセンターの開発を発表。電力容量50MW、総投資額はUS$7億超です。
- 日本のホテル・賃貸住宅: CLIグループが運用するCapitaLand Ascott Trustが、2025年に「ibis Styles Tokyo Ginza」など東京・金沢のホテル2軒と、大阪・京都の賃貸住宅3棟を取得しました。
駐在員の仕事・暮らしとの接点
- モール: Plaza Singapura、Raffles City Singapore、Funan、Bugis Junction、Tampines Mall、Westgateなどは、CLIが運用するCICTの物件です。
- オフィス: Capital Tower、CapitaGreen、CapitaSpringもCICTの物件。勤務先や商談先として訪れることもあるオフィスビルです。
- 赴任直後の住まい: Ascott Orchard Singaporeなど、Ascott系のサービスアパートは仮住まいの候補になります。
- 取引先として: 不動産・ファンド・データセンター関連の仕事では、CLIやその傘下REITが商談相手になることがあります。
最近の動き
- 資金集めが拡大: 2025年の新規の資金調達はS$65億(私募S$49億・上場ファンドS$16億)で、前年のほぼ2倍に。
- 運用会社の買収: 不動産プライベートクレジットのWingateを2025年に取得。SC Capital Partnersへの出資とあわせ、運用の幅を広げています。
- Ascottの拡大: 2025年はホテル・サービスアパートの運営契約の新規締結が過去最高になりました。
- 中国の私募REIT: 2026年8月に、RMB(人民元)31.5億の中国商業施設の私募REITを上場。これとは別に、中国の公募REIT(C-REIT)の2本目も2026年下半期の上場を目指しています。
よくある質問
「CapitaLand」と「CapitaLand Investment」は同じ会社ですか?
グループは同じですが、上場しているのは運用会社のCapitaLand Investmentです。旧CapitaLand Limitedは2021年に上場廃止となり、運用事業がCLIとして上場しました。
Temasekとの関係は?
2025年12月時点の年次報告書では、Temasekの保有比率は54.0%です。
CICTやCapitaLand Ascendas REITとの関係は?
どちらもCLIがスポンサーで、CLIの子会社がREITの運用会社(マネージャー)を務めています。
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数字は各社の公式発表(2025年12月期)に基づきます。この記事は企業情報の紹介を目的としたもので、特定の銘柄の売買をおすすめするものではありません。
最終確認日: 2026-10-02 / 最新情報は公式ページよりご確認ください。


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